オカモト 13年3月期 産業用の収益が伸長

2013年05月27日

ゴムタイムス社

 次期は円安で差損を懸念

  オカモトは5月20日、東京・本郷の同社本社で13年3月期連結決算説明会を開き、岡本良幸社長が出席して概況を述べた。

 同社の3月期業績は、売上高700億1800万円、前期比1・8%増、営業利益31億8300万円、同24・7%増、経常利益41億5500万円、同38・1%増の増収増益となった。当期純利益は23億7600万円、同55・6%増となった。
 岡本社長は産業用製品事業について「車両用が米国マーケットで後半に良くなったこと、フレコンは金額は小さいものの4割程度の増収となった。また、フィルム関係は若干の増収、壁紙も4%と小幅ながら増収となった」と語り、生活用品事業については「消費者向け製品が中心で主に福島工場、茨城工場の生産品であるが、主力のコンドームビジネスが堅調に推移、売上げは若干落ちたものの収益に貢献した。その他製品では手袋の販売が堅調で、雨が多く、レインコートの販売も堅調な伸びを示した」(同氏)。
 セグメント別の営業利益で、産業用事業が3割増益となったが、岡本社長は「生産が落ちずに、高水準の稼動を維持できた。とくに車両関係が利益貢献した。中国問題で一時落ち込んだが、予想よりも早く3ヵ月程度で戻すことができた」
 同社はタイ、ベトナムに生産拠点を有するが、タイにある3つの工場は洪水から復旧し、設備投資も行い生産能力増強も図り、現在はほぼフル生産となっている。タイ工場でスキンの生産も行っており、タイから日本向けなど輸出の拡大を狙う。ベトナムでは北部で長靴を生産、南部でレインコートの生産を行っているが「長靴工場は昨秋、人員も含めて経営改革を実施、現在は単月で黒字計上できる体質となった。レインコートの工場は順調に黒字計上している」(岡本社長)。
 12年度の設備投資は国内外計で23億5000万円を実施した。13年度は投資額に大きな変化はないものの国内で群馬県太田市のタイヤ工場だった遊休地の活用策で、約7億円を投資して太陽光発電設備を建設する。
 次期(14年3月期)は、連結売上高710億円、営業利益30億5000万円、経常利益34億5000万円、当期純利益21億円の増収減益を見込んでいる。同社は金額ベースで輸出1に対して輸入が2の割合であり、現在の円安による差損が大きく響く、としている。

決算を説明する岡本社長

決算を説明する岡本社長

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー