最新技術や次世代テクノロジーが集結
自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2013」が5月22日~24日までパシフィコ横浜で開催された。今回で22回目の開催となる同展では、自動車メーカー・部品メーカーらによる最新技術の展示など475社が一堂に集まった。会場では、新製品・新技術のセミナーや講演会なども開催された。
◇東洋ゴム工業
今回のブースでは、独自の研究開発力・技術力を主軸に、自動車用タイヤや各種自動車部品を横断的に紹介した。
自動車部品では、軽量でリサイクル性に優れた樹脂製等速ジョイントブーツ、エンジンの挙動を抑えるトルクロッドを出展した。また、流経路を自立で切り替えることにより、アイドリング時の防振特性と走行時の制振特性を両立させた自立切替式液封エンジンマウント、ねじり・こしり特性を低減し、操作安定性と乗り心の背反する車両性能を向上させたブッシュ、トラック・バス用空気バネなど、各種自動車関連部品も紹介した。
軟質ウレタン技術を駆使し乗り心地安定性を向上させたシートクッションも出展した。
自動車用タイヤでは、タイヤのゴム材料開発をナノレベルで制御する独自の材料設計基盤技術「ナノ・バランス・テクノロジー」を紹介するとともに、その技術を駆使した低燃費タイヤブランド「ナノエナジー」シリーズ0、1、2、3をフルラインアップ展示した。また、同社の研究・技術開発施設の歩みをパネルを用いて紹介、iPadを使用して展示物の解説も行った
◇東海ゴム工業
亀裂発生点を強化し抑制することで、耐久性を2倍に高め、重量も2割減少させた高耐久ゴム材料技術や金属から柔軟性のある樹脂への代替により、従来にない配管の取り回しを可能にし、軽量化を実現した細径燃料チューブを展示した。
また、熱伝導粒子を入れたウレタンを磁界中で発砲させることにより、通常のウレタンに比べ放熱性を10%から50%高めた磁気誘導発砲ウレタン技術を紹介。会場ではモーター回りの吸音材を展示し、吸音材ありのモーターと吸音材なしのモーターをヘッドホンで聞き比べすることで、防音性の違い、サーモグラフィーにより放熱性の違いを訴求していた。
その他では、すべてゴムから作られた軽量薄型のスマートラバースピーカーや、すべてゴムで出来たコンデンサを用いて容量変化をスイッチとして応用したスマートラバーセンサ、スイッチや車椅子などのシートに設置して体圧分布が測定できるオールゴムの耐圧検地センサ「SRソフトビジョン」などを紹介した。
◇NOK
今回の展示ではシール製品を低燃費、付加価値、過酷環境、新エネルギー、伝導化というメカニズムの追求というカテゴリーで、FPC製品をカスタマイズ技術のカテゴリーに分けて展示した。
ブースでは伝導性ゴム、耐衝撃性、耐候性、加工性に優れる硬磁性ゴムの技術や摩擦トルクを軽減させる低摩擦オイルシールの実物を紹介した。
◇澤久工業
同社は自動車メーカーをはじめ二輪メーカー、建設機械などの様々な業界で販売シェアトップを誇るホースクランプ専門メーカー。今回はターボエンジンに最適なホースクランプを展示した。トライドン社のウェーブシールは、スクリューヘッドのスロットにより、ボックスとマイナス両方のドライバーが使用可能という高い作業性を有し、温度変化によるホース圧力を均一に分散することにより、クランプ全体のムラを減らしてシール性を向上させた。波打つインナーウェーブリングが、スプリングの役割を果たすことにより、ホースの圧力変化に追従する構造が大きな特徴となっている。
重機メーカー、大型特殊車両メーカーなどに納入実績がある。
◇キーパー
自動車・鉄道車両・産業車両などに使用されるオイルシール・ブーツ・工業用ゴム製品の専門メーカー。今回の展示ではブースをシール技術、環境技術、音・騒音に分けて、新技術新製品を紹介した。
シール技術では、従来品より約25%のフリクショントルクの低減を実現した低フリクションオイルシール、耐熱性、対候性、耐へたり性を保持しながら自己潤滑性を持たせたゴムルブラバー、約9倍の耐泥水性を実現した耐泥水性向上オイルシールなどを訴求。
音・騒音技術では、ピックアップコイル式エンコーダー、ステアリングシャフト用ノイズ・インシュレーションカバー、耐候性、耐熱性に優れるダイナミックダンパーを紹介した。
◇宇部興産
ゴム材料の軽量化に貢献する高弾性ポリブタジエン「UBEPOL VCR」は同社独自の重合技術でハイシスポリブタジエン中に高結晶性シンジオタクチックポリブタジエン樹脂をミクロンオーダーで微細繊維状に分散させたゴム樹脂複合体。部材の薄肉化、フィラーの低減が可能となり、軽量化や低ロス化に貢献する。