鬼怒川ゴム 本年度ロシア進出へグローバル展開加速

2013年06月03日

ゴムタイムス社

  鬼怒川ゴム工業は5月24日、13年3月期連結決算説明会を東京・八重洲のサピアタワーで開催、14年度の事業方針を含めて関山定男社長が出席して概況を述べた。

 同社の3月期連結決算は、売上高662億2100万円、前期比6・2%減、営業利益63億8300万円、同23・5%減、経常利益70億4600万円、同17・6%減、当期純利益39億7500万円、同25・0%減の減収減益となった。
 収益減について関山社長は「客先の自動車生産台数の減少や中国の反日運動に伴う日本車販売の減、さらに米州、アセアンにおける新車立ち上げロスと部品輸送コストの増加などが影響、収益挽回対策として国内でのモノ造り改善、徹底した経費削減に取り組んだが、販売数量減も収益減に強く影響した」と語ったが、経常利益率は10・6%で1割を確保した。
 営業利益段階における増減要因は、地域別では日本が13億円の減、米州は11億円の減となり、アジアは5億円の増益要因となったが、差引き19億円の減額。要因別では合理化活動で26億円の増額となったが、減益要因として操業度他で18億円、市況他で5億円、昇給・賞与3億円、一過性費用で19億円となった。
 13年度の事業展開については、グローバル展開を強調した。
 「車体シール部品製造のキヌガワインドネシアを6月に操業開始した。15年度には売上高6億円以上を目指す。車体シールおよびホースを製造するキヌガワインドは昨年12月に会社設立した。こちらも15年度には10億円以上の売上げを目指す。中国の4番目の拠点となる鬼怒川蘇州は昨年8月から車体シールおよび防振部品を生産、5番目の鬼怒川橡塑は昨年11月に会社設立し、車体シールおよび防振部品を13年度中に操業開始する」(関山社長)。
 13年度は短期収益確保、売上げの更なる拡大を重点方針に掲げ、グローバル展開を加速させ、最適調達の推進を図り、付加価値品と廉価品を揃えることで海外進出に伴うリスクを回避、中国、タイ、メキシコを重点地域に位置づける。
 「進出先で残っているロシアは13年度中の進出を決定し、ブラジルについては13~14年度にかけて事業展開を決定したい」(関山社長)。
 次期(14年3月期)の連結業績予想は、売上高705億円、営業利益75億円、経常利益76億円、当期純利益42億円の増収増益を計画している。

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