高機能グレードで需要喚起 アジア、米国で生産能力増強
熱可塑性エラストマー(TPE)はゴム同様の弾性体でありながら通常のプラスチックと同様に成形加工(押出成形、射出成形等)ができることから加硫ゴムの一部を代替、もしくはプラスチックと加硫ゴムの隙間を補う材料として使用され、年々需要を拡大している。
需要面では東日本大震災以降、主力需要先である自動車の減産、欧州、中国経済の減速から拡大基調が鈍化したが、自動車のエコカー減税、震災復興需要、為替円安などから国内自動車生産が回復したことで需要は上向きつつある。海外市場でも昨年の中国の不買運などで需要がダウンしたものの、中国、アジア市場での自動車生産の拡大が期待されるほか、国内需要では震災復興需要でのインフラ整備、消費増税前の住宅着工増による建材需要、景気動向に左右されない医療、食品分野での安定需要も見込まれており、コンパウンドメーカー各社はニーズに対応した高機能グレードを相次ぎ投入するなど更なる需要喚起を図っている。
(2013年6月10日紙面掲載)
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