SPECIAL FEATURES ランクセス ロン・コマンダー(ランクセスAG ブチルラバービジネスユニット責任者)氏の挨拶

2013年06月11日

ゴムタイムス社

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ロン・コマンダー(ランクセスAG ブチルラバービジネスユニット責任者)氏の挨拶

 皆様、おはようございます。
そして、アクセル(ハイトマンCEO)、温かいお言葉をありがとうございます。
 本日、この場所で皆様にご挨拶させていただけますことを、大変光栄に思っております。
皆様もご存知のように、このような大規模な投資には国際的な専門家チームが必要です。ハイトマンがすでにこのプロジェクトの成功に貢献した方々を紹介してくださいましたが、私からも重要な方々を何人かご紹介させていただきたいと思います。
 まず名前を挙げたいのはWolfgang―JurgenThrams氏です。彼が率いる突出した技術者チームがこのプラントを建設してくれました。
 素晴らしい建設請負業者の皆様が、Wolfgang氏のチームをサポートしてくださいました。さらに、この技術チーム、建設業者の2つのチームを最先端のプロセス技術でサポートしてくださったHans―JurgenMick氏にも、お礼を申し上げたいと思います。
 最後になりましたが、ここジュロン島のプラントマネージャーであるSvenHafkesbrink氏と彼のチームには特にお礼を申し上げたいと思います。彼らはこの非常に複雑なプラントの稼働開始の成功に多大な貢献をしてくれました。
 本日のこのプラント稼働開始は、有能で献身的な多くの方々の5年にもおよぶ努力の賜物なのです。
 このプラントには約4億ユーロの投資が行われ、ランクセスの重要な製造拠点として位置づけられるとともに、合成ゴムの世界有数のリーディングサプライヤーとしての地位を確固たるものにするというランクセスの戦略において大きな役割を担っているのです。
 ランクセスが2つの最大規模の投資、そして2つの最も重要なゴム製造プラントのために、ジュロン島を選んだ理由はたくさんあります。
 その1つは、もちろんジュロン島の理想的な立地です。シンガポールは今やランクセスの東南アジアにおける活動のハブであり、世界的ゴム製造事業の重要な柱となっています。
またインフラが整備され、高いスキルを持つ人材も豊富です。
 プチルゴムに関しましては、ランクセスは3大陸に、3つの全額出資の世界規模のプラントを構えることになります。カナダのサー二アとベルギーのズヴェインドレヒトにあるランクセス既存のプチルゴム製造拠点における年間最大生産量はそれぞれ15万トンです。それらに年間最大生産量10万トンのこのシンガポールのプラントが今、加わりました。
 これらの3つのプラントが一丸となり、ランクセスの顧客の皆様に、この重要な材料、ブチルゴムを確実に世界中に向けて提供することができます。
 このジュロン島のプラントは、アジアでは、そして多分世界でも、最先端の技術を備えた合成ゴム製造施設となります。
 このプラント建設の目的は、この地域の大切なお客様に高品質ブチルゴムの安定した供給を確保するためです。そして海を越える配送の費用や不確実性を気にすることなく、お客様が必要とする全ての製品を提供し続けることを可能にするためです。
 今や、ランクセスの世界でのブチルゴムの売上の50%以上をアジア地域が占めています。そして、中国だけでアジア地域の50%を占めています。
 では、このプラントとそこで製造する製品の詳細について、手短にお話しさせていただきます。
 このプラントには、ランクセスの設立以来8年の歴史の中で最大規模の投資が行われました。
 このプラントは、約15万平方メートルの広さを誇り、高い技能を持つ約160名の新規雇用を創出します。
 建設ピーク時には、建設現場で、約2,500名が雇用されました。彼らは約3,500トンの鉄骨を組み建て、350キロメートルのケーブルを引き、約80キロメートルのパイプを配管しました。
 このプラントは2000年以来世界初の完全に新設されたハロブチルゴム製造プラントです。そしてランクセスの従業員は、この施設が設定した高い環境基準を特に誇りに思っています。
 この新プラントの総投資額の約10%は、エネルギーおよび水消費の軽減と温室効果ガスの排出量を低減するための技術に使用されました。
このプラントは、非常に効率的で環境に優しいプロセス技術が特徴です。従って、2つの既存の施設に比べて蒸気の消費量が削減され、環境影響もより少なくなります。それがエネルギー消費の大幅な削減につながります。
製造プロセスから水や熟を回収するシステムもあります。
 このプラントは年間最大生産量10万トンを備えるアジアで最大級のブチルゴム製造施設になります。
 この新プラントでは、レギュラーブチルゴムとハロブテルゴムの両方を製造します。ハロブチルゴムは製造がより複雑ですが、お客様にさらに優れた価値を提供することができ、需要の成長率はレギュラーブチルゴムよりも遥かに高いです。
 ランクセスはハロブテルゴムの一種であるブロモブテルゴムをタイヤトレッドに使用する新技術を開発しました。プロモプチルゴムの類いまれな特性が、タイヤのウエットグリップ性能を高め、制動距離を短縮するため、タイヤの安全性を向上することが証明されています。
 ハロブチルゴムはまた、チューブレスタイヤに使用されています。インドや中国においてラジアルタイヤ化がトラックやバス市場において進んでいることから、これは非常に重要です。
 そして私はトラックのタイヤが本当に気に入っています。その理由は、乗用車のタイヤよりトラックやバスのタイヤの方が、著しく多くのブチルゴムを必要とするからです。
 ハロブチルはまた、医薬用ゴム栓のような用途にも使用されています。この用途はアジアで急速な成長をみせる医療市場にとって、特に重要です。
 そして最後に、ゴルフのスイングを忘れてはいけません。ランクセスが開発した新製品ブチルイオノマーは、ゴルフクラブのグリップ性能を向上させることができるのです。ですからこのプラントは、ここにいらっしゃるゴルファーのみなさん全員のハンディを下げるお手伝いをすることになるかもしれません。
 ゴルフはさておき、この先何年にもわたり、タイヤとインナーチューブが引き続きブチルゴムとハロブチルゴムの主要用途であることは確かです。
 この分野での需要は、世界中の経済成長において中核的な役割を担うメガトレンドである、モビリティが原動力となっています。
 急成長を遂げる国々では、車や輸送サービス向け市場は驚異的な成長率で拡大しています。それが、アジア市場におけるハロブチルゴムと、このプラントの将来に自信を持つ理由なのです。
 これらの例から、皆様には、ブチウゴムのない世界、特にアジアにおいては想像できないということをご理解いただけたかと思います。
 この後のプラント公式稼働開始式典に移ります前に、もう一度、このプロジェクトが、ここシンガポールのあるいは世界各地のランクセスの熱心なスタッフ、また多くの技術者、化学者、下請業者そして政府関係者のご尽力のおかげであるということに、感謝を申し上げたいと思います。
 彼らの努力のおかげで、このプラントを予定通りそして予算内に稼働開始することができるのです。
 皆様の多くがご存知のように、私はもうすぐブチルラバービジネスユニットの責任者の職を辞し定年退職いたします。
 この業界で長い年月過ごしてまいりましたが、この素晴らしいプロジェクトの進行と華々しい完成をみることができたことは、私にとって特別な喜びでございます。
 この記念すべき機会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
そしてハイトマン氏と経営委員会メンバーにもランクセスでの時間を本当に充実したものにしていただき、感謝しております。
 この施設がランクセス、シンガポール、アジア、そしてゴム産業にとって、どれだけ重要かという思いを共有できる皆様とご一緒させていただけたことに感謝申し上げます。
ご清聴、ありがとうございました。

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