東ソーは18日、南陽事業所(山口県周南市)のエチレンアミン(EA)製造設備の3系列のうち、1系列の生産停止および廃棄を決定したと発表した。
2010年以降、競合各社におけるEA製造設備の新設が相次ぎ、需給バランスが崩れた結果、EA市況の軟化が続き、事業採算は大幅に悪化したことが要因。世界的な需要は今後とも年率3%程度の順調な伸長が期待されるものの、最も市場規模の大きいエチレンジアミン(EDA)の供給過剰は今後しばらく継続すると判断し、製造開始時期が1967年と最も古く、EDA生産比率の高い第一系列を生産停止し、廃棄する。同設備の生産能力は年産1万8千トンで、8月末に停止予定。
今後は原料二塩化エチレン(EDC)ベースの製法を生かしたハイアミン中心の生産・販売を強化し、またEA販売価格の修正に注力することで、収益力の改善に努めていく方針。
EAはエポキシ樹脂硬化剤や紙力増強剤、キレート剤などの原料として幅広く使用されている有機化学品・EDAといった分子量の低いグレードをローアミン、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)などの分子量の高いグレードをハイアミンと呼び、同社ではハイアミンを高収率で生産することが可能。
2013年06月19日