熱可塑性エラストマーの業界動向 自動車用部品での採用進む
新規グレード開発も活発 耐熱性向上で高機能化
熱可塑性エラストマー(TPE)は架橋ゴム製品の製造過程での省エネルギーや環境対応の面から高く評価され、 リサイクル性及び軽量化にも結びつき、成形加工等の取り扱いの容易さも併せて、 従来より架橋ゴムからの代替えが進んできた。
主力の自動車分野では自動車の「環境対応車」開発が加速される中、TPEに求められる軽量化とコスト、環境、電子化への対応などから需要は追い風となっている。また、今後の成長事業分野である太陽光発電向け、医療用分野でのニーズも日増しに高まっている。
TPEにはベースポリマーにより大きく分けて、スチレン系、オレフィン系、PVC系、ポリエステル系、ウレタン系、アミド系などがあり、それぞれに特徴を持ち、用途に応じて使い分けられていている。なかでもスチレン系、オレフィン系の伸びが大きく、近年、硬質プラスチックとの複合成形(二層射出成形等)が、気密性や防水性、衝撃緩和、あるいは肌触り(ソフト感)改良等を目的に行われる ケースも多くなってきている。