タイヤ各社は地球環境への取り組みを経営上の最重要課題として位置づけ、環境保全への様々な活動を実施しているが、その取り組み姿勢が評価されこのほどブリヂストンが中国低炭素模範賞、住友ゴムが「DBJ環境格付」の特別表彰を受賞した。横浜ゴム、東洋ゴムも東日本大震災の復興支援において、被災地域での記念植樹を通じて環境保全への取り組みを強化している。
◇ブリヂストン 中国で低炭素模範賞
ブリヂストンは中国の普利司通(中国)投資有限公司(BSCN)が中国での継続した環境への取り組みが評価され、「2013年度中国低炭素模範賞」を受賞したと発表。今回の受賞は2011年に続き2回目の受賞で①中国国内タイヤ4工場での2010年以降継続した完全ゼロ・エミッションの達成②生産段階でのCO2排出量の削減(2012年実績として、2005年対比生産量あたり16%削減)③低燃費タイヤ「ECOPIA」ブランドの拡販④「青海年保玉則生態保護プロジェクト」などの社会貢献活動が高く評価された。
また、ブリヂストンは国内グループ会社の活動実績を対象に優れた事例を評価し共有する「第7回ブリヂストングループ環境表彰」を6月21日に実施、「防振ゴムの樹脂化による軽量化をはじめとしたライフサイクル全体での環境負荷低減」、
「次世代低燃費タイヤ技術(ラージ&ナローコンセプト)の開発」、「ゴム農園におけるサステナビリティ向上に向けた技術の開発」をブリヂストン環境活動大賞として表彰した。
◇住友ゴム「DBJ環境格付」で特別表彰
住友ゴム工業は日本政策投資銀行(DBJ)による「DBJ環境格付」(企業の環境経営度の評価・格付制度)で最高ランクの格付を取得するとともに、最高ランク評価の中でも特に評価が高いモデル企業のみが該当する特別表彰を受賞した。
今回の格付では、①環境負荷の低減を実現すべく、2013年に「100%石油外天然資源タイヤ」を、2015年には「50%転がり抵抗低減タイヤ」を開発・発売するという具体的な目標を設定し、対外的にコミットしている点。②国内外の主要製造拠点において埋立廃棄物をゼロにする完全ゼロエミッションを達成している点。③CSRガイドラインの柱の1つに「緑化」を据え、国内外の各事業所や周辺地域において2029年までに100万本の植樹を実施するという目標を掲げている中、目標を遥かに上回るペースで植樹を進捗させ、2012年末に累計130万本の植樹を達成している点。
◇横浜ゴム
横浜ゴムは、東日本大震災の被災地である岩手県上閉伊郡大槌町の復興を支援するため、先に「平成の杜」植樹会を開催。
大槌町は復興計画のひとつに「いのちを守る森の防潮堤」づくりを掲げている。横浜ゴムはこの活動に賛同し、昨年4月30日にそのモデルケースとなる「千年の杜」植樹会を実施しており、今回は2期目の植樹。1期目に植樹した50メートルのマウンドの隣に新たに長さ250メートルの植樹マウンドを建設し、今回はその内50メートルに植樹を行った。毎年50メートルずつ植樹していく計画で、横浜ゴム創業100周年の2017年度に300メートルまで延長する。このモデルケースの杜は、平成に起きた大震災を決して忘れないものとするため、「千年の杜」から「平成の杜」に改名された。
◇東洋ゴム
東洋ゴム工業は、宮城県岩沼市が東日本大震災からの復興計画の一つとして取り組む「千年希望の丘プロジェクト」の一環である“メモリアル樹望(きぼう)式2013”の植樹に参加。
自動車用タイヤの国内主力工場である仙台工場は、2011年の東日本大震災で被災したが、早期に復旧を果たし、地元経済の復興にも寄与。また、宮城県や地元・岩沼市に対しては義捐金の寄贈のほか、地域とのふれあいイベントで仮設住宅を慰問するなど、企業市民としてでき得る復興支援を重ねてきた。
“メモリアル樹望(きぼう)式2013”は、岩沼市が復興計画プロジェクトとして取り組む「千年希望の丘」に、約3万本のタブノキやヤマザクラなど20種類の苗木を市民の手で植樹するもので、地元に基盤を置く企業としてこの趣旨に賛同するとともに、仙台工場に勤務する従業員約100名とその家族がこれに参加した。