横浜ゴムは28日、プラスチック製品向け真空蒸着用コート材「Y-coat」シリーズの新商品として2液硬化型プライマー「TP515」を開発したと発表した。
速乾性に優れ、乾燥時間を最大で従来品の1/6に短縮できる。このため、生産ライン全体の作業時間が短縮でき、乾燥に必要な熱使用量も抑えられるなどトータルコスト削減に貢献する。すでに3月から販売を開始しており、国内大手電機メーカーに採用されている。
「TP515」はスマートフォン、デジタルカメラなどの筐体に多く使われるポリアミド樹脂およびポリカーボネイト樹脂に塗装を施すための下地処理に用いられ、樹脂と塗料との密着性を高めるほか素材表面を平滑にする効果がある。同製品は独自の変性技術により反応性を大幅に向上させることで、短い乾燥時間でも従来品同等以上の密着性を発現することができる。プライマーの乾燥には熱風や赤外線を利用するが、熱風乾燥炉を使用した場合、同シリーズ従来品の推奨乾燥条件であった85℃×30分に対し、同製品は85℃×5分に短縮することができる。
また、密着耐久性は従来品と同等レベルを維持しながら、塗膜表面の平滑性(レベリング性)は従来品から改善した。これにより外観レベルが向上し、高意匠性や美観性が求められる筐体にも使用できる。
同社は2004年から同シリーズを販売している。これまで携帯電話、スマートフォンなどの携帯情報機器や化粧品容器、照明機器など多様な分野向け製品を開発しており、国内外のメーカーで多くの採用実績を重ねている。今後は自動車部品など他の用途向けの開発も進め、さらなる販売拡大を図る考え。
2013年07月02日