十人十色の事業承継 第7回

2013年07月02日

ゴムタイムス社

 事業承継者が居ない場合でも、立派な事業承継が出来る 

 今回は事業承継者が居ない場合の事をお話しいたします。
 今の時代、先代から続けている事業や、自分が一から設立した会社だとしても、自分の子供が引き継いでくれないという事態が数多く出て来ております。
引継ぐ者が居らず、諦めて自分の代で会社を閉めようと考える経営者も多いと思いますが、ちょっとお待ちください。身内や従業員でもない第三者に会社を引き継いでもらうという方法も残されているのです。第三者に会社を引継いでもらう方法は、大きく括ると以下の三つの方法が有ります。
 一つ目は、現在の会社の一部門(あるいは全て)を第三者に売却してしまう方法です。
 どういうことかと言いますと、会社の一部門(あるいは全て)のノウハウ、特許、グッドウィル(暖簾)や機械を纏めて第三者に売却する方法です。この場合、その部門に従事している従業員もその第三者の組織に移転するのが一般的です。そこで得た資金を残された部門に注ぎ込めば、その部門を充実させてゆくことが可能になります。また、借入金等があれば、その返済に充てるなりして経営の改善を図ることが出来ます。要は事業を圧縮する事により、会社の内容をより良くしてゆく方法があるという事です。そうすることにより、残された事業は最終的に売却するか、あるいは下記の何れかの選択肢を適用することが容易になります。
 二つ目は、俗にいうM&Aと言われている手法です。M&Aの相手は事業内容が横に繋がっている会社(つまり、同じ業態の会社等)の場合と、縦の繋がりの会社(サプライチェーンの中の一社等)の場合が多く見受けられます。横の繋がりでは、合理化や製品等の業界シェアーを拡大することがメリットになります。縦の繋がりでは、製品の一括生産が出来るなどの合理化が図れ、競合他社との差別化が出来るということになります。勿論、そこに至るまでには、合併比率をどうするかとか存続会社をどちらにするかなど、事前にやらなければ成らないことが色々あります。
 最後の三つ目は、同じ業界の中で、それぞれ異なる仕事をしている会社を何社か集めて、Limited Liability Company(通称LLC)を結成する方法です。この方法は米国では盛んに行われておりますが、日本には最近になってやっと入ってきた手法です。このLLCは日本語で表すと合同会社という意味になり、これに参加する会社一つ一つは独立しております。つまり一社一社に有限責任があります。一方、納税義務はLLC一社で行うという事であります。承継者不在の会社の経営はLLCに組み込まれた他社が行うことになります。
 現在、私のところにこのような手法を適用する事業承継の案件が来ております。某大手メーカーの下請け会社全てをLLCとしてまとめ上げ、より効率的により低コストで製品を作り挙げる目論見です。LLCに属する個々の下請け会社は安心して事業に専念出来ることが出来ます。
《LLP千代田コンサルティングファーム》
 CPA・CFP・会社法務士 代表 山本眞 東京都千代田区神田錦町2―7―22ワールドビル4階Tel:03―5577―6802 Fax:03―5577―6803

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