ランクセスは7月2日、新たな低エネルギー(LE)エレメントの開発により、逆浸透膜(RO)を用いた水処理向けの膜ろ過エレメント製品群を拡張したと発表した。
同社の液体高純化テクノロジーズビジネスユニットのROプロジェクト責任者アラン・シャープ氏は、「LE膜エレメントの動作圧レベルは、ランクセスの製品ポートフォリオの標準圧の膜エレメントと比べて、約20%~40%低減する。ROプラントのポンプにこれらのエレメントを使用した場合、精製水の製造量と流量に関するエネルギー消費は、同様に約20%~40%低減する」と述べた。
LE膜は、高流速で高レベルの生産性が求められる用途や、高除去率に重点を置かない全ての用途に対して特にメリットを発揮する。LE膜を使用するROエレメントの主な用途分野は、かん水の脱塩。これらのエレメントは、工業および都市地域における、地表水と地下水の両方を処理するために使用することができ、また廃水処理にも使用できるとしている。
アラン・シャープ氏はLE膜について「世界市場において需要が非常に大きく、一部の地域では、LE膜の市場シェアは約70%になる。ランクセスは、LE膜を提供することで、かん水の脱塩における包括的な製品ポートフォリオをさらに拡張する。この分野の売り上げにおいて、一層の持続可能な成長が期待される」と述べた。
同社では、現在3種類の LE膜を提供しており、各製品の平均脱塩率は、10・3バールの標準状態で 99.5%となる。新製品は、2013年6月5日~7日に上海で開催された「Aquatech China(第6回上海国際水展)」において初めて紹介された。メガトレンドの水資源に特化した、中国のこの主要見本市では、30カ国以上から約1000の出展者の製品およびサービスが展示された。