山下ゴムの2013年3月期連結決算 海外生産拠点の能力増強で
山下ゴムの2013年3月期連結決算は売上高が531億1400万円、前期比19・5%増、経常利益は15億3200万円、前期比341・7%増の増収増益となった。米国YUSAの黒字転換、グローバルでの生産再編・能力増強、原価低減策が寄与した。主力得意先であるホンダの自動車販売が北米、アジア・大洋州で大きく伸びたことで海外子会社の業績が改善された。
国内単体業績はホンダの国内生産台数にスライド、売上高は自動車の小型化による単価減の影響もあり273億3500万円、前期比5・7%減となった。このうち国内売上高が215億円、海外売上高が若干減の58億円。収益は経常利益6億1100万円、前期比40・8%減。
同社は現在、埼玉工場の型物ラインの三重工場への生産移管を進めており、生産統合による除却損、従業員の特別退職金手当が嵩み減益となった。
部門別売上高は型物(防振ゴム)が153億6700万円、前期比15・4%減、押出製品(ホース・チューブ)51億8200万円、同1・8%増、金具等のその他が67億8600万円、同17・9%増と型物製品の落ち込みが響いた。
今期業績見通しは為替を1ドル95円と想定し、連結売上高は前期比18・6%増の630億円、経常利益は前期比63・2%増の25億円と増収増益を見込んでいる。為替が前期に比べ15%の円安に振れることに加え、ホンダの今期売上高予測が前期比7%増であることを織り込んだ。
米国拠点では前期比17・6%増の301億円、メキシコでは前期比倍増の64億円、急速に需要が回復したタイでは日本からの生産移管もあり前期比52%増の114億円、中国では利益率の高い製品が堅調で前期比38・7%増の104億円、この3月に稼働したインドの防振ゴム工場では13億円と、グローバルでの拡販を見込んでいる。単体業績は売上高が260億円、前期比4・9%減の減収ながら収益は経常利益10億円を確保する計画でいる。
今期設備投資は国内では4億8000万円、グループ全体で38億円を計画している。国内は研究開発設備機器への充当、海外ではインドネシアでの防振ゴム新工場建設、ベトナムでのR&Dセンター建設費用に充てる。