ブリヂストンは7月23日、世界最大級のソーラーカーレース「World Solar Challenge 2013(WSC2013)に初参戦する工学院大学の「ソーラーカープロジェクト」に協賛すると発表した。
同プロジェクトは、濱根洋人監督(工学部機械システム工学科准教授)の指揮のもと、学生34名のチームで、WSC2013に挑戦するもの。
10月6~13日に、オーストラリア北部のダーウィンから、南部のアデレードまでの総延長3021キロの距離を競う。
同大は2012年に日本国内優勝を果たしているが、世界大会への参戦にあたり、新たにソーラーカー「PRACTICE」を開発した。
その特長は、34のサポート企業・団体の協力・支援により、日本の最先端技術を結集していること。
中でも注目されるのが、ブリヂストンの転がり抵抗を大幅に低減した新技術「ologic」を搭載したタイヤの採用である。
今回の大会からレギュレーションがいくつか変更になり、従来3輪が主流だったものが、4輪が義務化されることになった。
これにより転がり損が増え、タイヤ性能がレースの行方に影響を与えるとみられることから、ologic搭載タイヤに対し、チームからは大きな期待が寄せられている。
このタイヤは3月に発表した低燃費と安全性を高次元で両立する技術「ラージ&ナローコンセプト」をベースに開発した、特別仕様のタイヤとなる。
タイヤサイズをこれまでになかった狭幅・大径サイズ化するとともに、空気圧の高圧化や新パタン技術、専用コンパウンドを採用することで、従来とは別次元の転がり抵抗の低減と、ウェットグリップ性能の向上を実現した。
ブリヂストンは今回のプロジェクトに対し、ologic搭載タイヤのほか、紫外線を透過させることでソーラーカーの発電効率の向上に貢献する、太陽電池用高機能フィルム「EVASKY」でも協賛している。
工学院大学は23日、新宿キャンパスで記者発表会を開催し、サポート企業・団体を発表するとともに、プロジェクトの紹介やPRACTICEの公開などを行った。
その中で、サポート企業・団体を代表してあいさつしたブリヂストンの市川良彦・執行役員は「当社は環境宣言を掲げ、その活動の一環としてCO2を減らす活動を行っているが、ソーラーカーレースは、まさにブリヂストンがめざす技術に通じる」と協賛への意義を述べた。