帝人は23日、10月6日から13日にかけてオーストラリアで開催される世界最大級のソーラーカー大会「World Solar Challenge」に参戦する工学院大学の車体に、主要素材として炭素繊維「テナックス」を提供し、それを使用したCFRP製車体の設計支援と製作を行うことを発表した。
参画は同社グループで炭素繊維・複合材料事業を展開する東邦テナックスとグループ会社であるジーエイチクラフトが行う。工学院大学のソーラーカーの車体に提供する材料は、東邦テナックスの同炭素繊維を極薄の織物にした超軽量織物で、ジーエイチクラフトが設計・成形加工し、オールカーボンコンポジット車体として完成させている。
東邦テナックスは、2010年にサカイオーベックスと共同で、成形厚0・06㎜まで薄肉化した超軽量織物を開発しており、これを使用することにより、これまでにはないCFRPの薄肉化を実現し、超軽量の車体が可能となった。
一方、ジーエイチクラフトは、1972年の創業以来、超軽量乗物構造技術に基づく独自のデザイン設計、成形加工、および構造物評価に至るまで、複合構造体の全工程について社内で一貫生産しており、この分野における世界的なファーストランナーとして、自動車、列車、宇宙・航空機など、モビリティ分野における様々なCFRPコンポジット構造体を手掛けている。このたびのソーラーカー車体製作においては、東邦テナックスの超軽量織物を使用することで、極限まで車体重量を軽くするとともに、走行に耐え得る剛性と強度を兼ね備えた車体の実現を目指してコンセプト設計の段階から関わり、革新的なソーラーカーを完成させた。
同社グループでは、この二社による熱硬化性CFRPに加え、帝人複合材料開発センターにおいては熱可塑性CFRPの研究開発を進めており、グループの総力を挙げてCFRPソリューションを展開しており、今後、炭素繊維・複合材料事業におけるリーディングカンパニーを目指していく考えだ。
2013年07月25日