日本ゴム工業会は7月26日、都内の経団連会館で第302回理事会を開催した。
理事会は役員の異動に関する件、VOC排出削減に関する自主行動計画のフォローアップ結果について、非公開で審議された後、税制改正要望やゴム製品の直近の生産・輸出入状況、労務関係、安全衛生関係、ISO/TC45国内審議委員会について報告がされた。その後、褒章受賞者に対する祝賀が行われ、豊田合成の若山会長に記念品が授与された。(=詳報は追って掲載)
理事会の冒頭、西海会長は「最近の猛暑のなか、製造現場や販売現場で働く人たちは必死に頑張ってくれているというのを改めて現場訪問するたびに感じます。当ゴム工業会も幅広くゴム工業に携わる仲間の頑張りのなかで、日本の経済を良くし、世界に貢献することでつながっていると思います。確かに業界の取り巻く環境が激変しているなか、当ゴム工業会の活動や組織をさらに会員各社様にとって、よりメリットができる活動にするためにはどうしたらいいのか、今の活動の棚卸しをしながら、検討し模索していくことでより良くしていきたい」などと述べた。
ISO/TC45国内審議委員会の報告では、「これまでの10年間は、国際規格と国内規格の整合性を取る事を主眼を置いて活動をしてきたが、国内規格と国際規格の整合化にある程度目処が立った」(事務局)とし、今後は「標準を作る時代から標準を使って競争力を向上に繋げる時代」になると述べた。 先行する欧州の動向、他業界の動向にも注目し、単なる規格をこえて、競争力強化という中で規格を使用していく方針。
国際幹事等の国際的公職の積極的な引き受け、日本の強み分野の世界展開への集中など国際競争力に繋がる分野への重点支援、最低水準の品質を表現する規格ではなく、差別化ができ製品の優位性を問う事が出来る「高機能JIS」の推進など経産省の標準化戦略は変化している。これらの戦略に対応するため、新たな戦力・方針を検討する場として、NMC戦略会議(ナショナル・ミラー・コミュニティー)を設置することを発表した。具体的には、免震ゴム分野の認証制度の実現などを検討する。「今後は標準化となるニーズを上げてもらうことが重要になる、経営者側から色々な課題提案を頂ければ、より意味のある標準化提案ができる」と述べた。
安全衛生関係では、災害による休業者数は前年比横ばいとなり、災害の発生頻度は過去10年の傾向では年々減少している。年齢別発生状況では、12年度は60才以上の休業災害発生が大きく増加した。型別発生状況でははさまれが24%、巻き込まれが18%で、合計42%と大きく占めている。12年度は転倒の割合が11年度13%から18%と大きく伸びているのが目立った特長となった。
労務関連の報告では、2013年夏季賞与・一時金の妥結状況と雇用状況調査の結果概要の2つを中心に説明が行われた。2013年夏季賞与・一時金の妥結状況では妥結額の分布、伸び率の分布等の解説があり、また雇用状況調査の結果概要では、従業員数が全体的にマイナス傾向になっており、雇用面における当面の課題に対しては、回答92社中55社が高齢化に伴う中高年齢者対策が課題であるという報告があった。
各種報告の終了後、平成25年春の褒章受賞者で若山甫氏(豊田合成㈱取締役会長)が藍綬褒章を受賞したことで、西海会長より若山氏に記念品が授与された。西海会長は若山氏の略歴と業界への功績を読み上げ、「今回の受賞はご本人の人柄と共に、社内外における多くの功績が高く評価されたものであり、心から敬意を表するものです」と述べ、若山氏は会員各社に対して謝辞を述べた。