トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車工業の自動車メーカー4社は29日、電動車両(PHV・PHEV・EV)の充電器の設置活動を共同で推進すること、および、利便性の高い充電ネットワークサービスの構築を共同で実現することに合意したと発表した。
電動車両の普及の為には、充電インフラ設備の早期普及が極めて重要であり、政府の補助金という好環境のもと、自動車メーカー4社が費用を一部負担して設置促進を図っていく。併せて、各社が出資している既存の充電サービス会社と連携し、充電器利用者が使いやすく利便性の高い充電ネットワークの構築に取り組んでいく。
日本における充電器は、急速充電器1700基、普通充電器3000基強と、まだ十分な状況ではない。また、複数ある充電サービスの連携も不十分なため、ユーザーにとって安心して使いやすい状況には至っていない。政府は、次世代エネルギーを活用した電動車両の普及のためには充電インフラ整備が早急に必要であるとして、今年度の経済対策において1005億円におよぶ充電器設置補助金を打ち出した。現在、各都道府県にて補助金活用ビジョンが策定され、公表されつつあるが、これらの強力な支援を受けて、同4社は、充電器の設置に取り組んでいる。これまでは、個々に設置者の開拓を行ってきたが、インフラは公共性が高いこと、政府の補助金支援期間内にスピーディに設置を推進していく必要があるとの共通認識から、共同での活動について合意に至った。
充電には、自宅やマンションなどの基礎充電に加え、ショッピングセンター・ホームセンター・ファミリーレストランなどの目的地で充電して復路に備える目的地充電、高速道路・道の駅・ガソリンスタンド・コンビニエンスストアなど、移動の途中で充電して目的地に向かう経路充電がある。目的地充電・経路充電ともに、長時間滞在するときは普通充電、短時間滞在するときは急速充電が適していると考えられる。
また、用途で見た場合、PHV・PHEVは、EV走行による性能を最大限引き出し、高い複合燃費を実現するために、EVは、排出ガスの出ないクリーンな走行が特徴で、その航続距離を伸ばすために、充電ネットワークを必要としている。
今回の合意のもと、4社で共同プロジェクトを発足させて以下の具体的な活動を進めていく。
1. 国内における充電器設置促進活動の推進
普通充電器は、目的地充電スポットとなる商業施設(大型ショッピングセンター、ホームセンター、ファミリーレストランなど)、および、滞在時間の長い経路充電スポット(高速道路のサービスエリア、道の駅など)に8000基レベル、急速充電器は、上記に加え、滞在時間の短い経路充電スポット(高速道路のパーキングエリア、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドなど)に4000基レベルを検討している。
2. 上記充電器の設置
費用と維持費用の一部を一時負担して充電器設置活動を推進する。
3. 快適なPHV・PHEV・EVライフを過ごすことができる充電インフラネットワークサービスの構築
各社が出資している既存の充電サービス会社(ジャパンチャージネットワーク・充電網整備推進機構・トヨタメディアサービス)と連携し、例えば一枚のカードでどこでも充電できるなど、ユーザーにとって利便性の高い充電インフラネットワークサービスを作り出していく。
4. 官庁や地方自治体との連携
電動車両は次世代エネルギー対策の重要な牽引役を担っており、政府は次世代自動車普及目標として、新車販売台数に占めるPHV・PHEV・EVの割合を、2020年には15%~20%と掲げている。今回充電インフラの充実を図ることで、利便性の飛躍的な向上につなげ、自動車メーカーとしても電動車両の機能が最大限生かせる社会作りに貢献し、電動車両の普及を進めていく所存。
2013年07月29日