JSR第1四半期決算 経常益9%増

2013年08月05日

ゴムタイムス社

 JSRの2014年3月期第1四半期連結決算は、売上高は917億2700万円で前年同期比1・3%減、営業利益は93億1300万円、同6・8%増、経常利益は109億9000万円で同9・0%増、四半期純利益は68億8200万円、同1・0%増の減収増益となった。石化部門の売上は、タイヤ・自動車生産需要の低迷で、597億7400万円で前年同期比5%減収だったものの、四日市工場の定期修繕がなくなった影響など営業費用の改善で、営業利益は56億1700万円、同15%増となった。

 〈エラストマー事業部門〉
 合成ゴムの販売については、前年同期のエコカー補助金特需の反動、欧州向け出荷不調などにより、売上高は前年同期を下回ったが、前年同期に実施した四日市工場の定期修繕がなくなった影響で、営業利益は前年同期を上回った。結果、当第1四半期連結累計期間のエラストマー事業部門の売上高は同4・8%減の470億7600万円、営業利益は同7・0%増の47億1000万円となった。
 〈合成樹脂事業部門〉
 合成樹脂の販売については、自動車向けやゲーム機などのアミューズメント向けで需要が減少し、売上高は前年同期を下回ったが、主要原料価格上昇に対応した販売価格改定や円安による採算改善などにより、営業利益は前年同期を上回った。結果、当第1四半期連結累計期間の合成樹脂事業部門の売上高は同3・8%減の126億9800万円、営業利益は前年同期比87・0%増の9億700万円となった。
 〈多角化事業部門〉
 半導体材料の販売については、スマートフォンや多機能携帯端末向けの需要は堅調に推移したものの、パソコン用の需要低迷が継続し売上高は前年同期を下回った。フラットパネル・ディスプレイ材料の販売については、主要パネルメーカーの生産が回復し、売上高は前年同期を上回った。精密材料・加工事業については、タッチパネル用透明導電性フィルム(ITOフィルム)の販売は増加したものの、スマートフォンや多機能携帯端末向けの耐熱透明樹脂「アートン」の位相差フィルムの出荷が減少し、売上高は前年同期を下回った。その他、最先端分野への投資負担が営業利益の圧迫要因となった。結果、当第1四半期連結累計期間の多角化事業部門の売上高は前年同期比5・5%増の319億5200万円、営業利益は前年同期比3・6%減の36億9500万円となった。
 通期の連結業績予想は、「上期はほぼ想定通りで推移したことと、下期はタイヤの回復、タイでS−SBRの工場が立ち上がること」などにより売上高が4150億円で前期比11・7%増、営業利益が430億円で同22・1%増、経常利益が470億円で同8・1%増、当期純利益が315億円で同4・0%増の増収増益予想と4月に発表した従来予想を据え置いた。

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