東海カーボン 原子力機構と黒鉛で研究

2013年08月06日

ゴムタイムス社

 東海カーボンは2日、独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)と、将来の高温ガス炉の炉心構成材に使用される等方性黒鉛に格段に優れた耐酸化性を持たせる基盤研究を共同で推進していると発表した。
 原子力機構は同社の他、東洋炭素㈱、イビデン㈱、新日本テクノカーボン㈱の3社それぞれとも同様の研究を行う。
 高温ガス炉は、固有安全性に優れた原子炉だが、空気等の侵入に対しても究極的に安全性を高めることを追求するため、本研究では等方性黒鉛に格段に優れた耐酸化性を持たせることを目指している。耐酸化性向上には、黒鉛表面を炭化ケイ素(SiC)等により被覆する手法が有効だが、応力が発生する高温かつ中性子照射環境条件におけるSiC被覆の安定性が課題となる。
 また、原子力機構は、国際科学技術センター(ISTC)の枠組みのもと、国際協力実績のあるカザフスタン共和国の核物理研究所(INP)との間で、黒鉛材料の照射試験プロジェクトに関する研究契約を1日付で締結した。
 今後、平成28年1月末までの予定で、黒鉛メーカ4社が独自の製法で製造した高機能黒鉛材料について、INPが所有するWWR‐K炉を用いて照射試験を行う計画。原子力機構は「本プロジェクトの成果は、我が国の高温ガス炉技術をカザフスタン共和国をはじめとする世界へ展開する上で有効に活用することが期待できる」としている。

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