バンドー化学の第1四半期連結決算は、売上高が227億6100万円、前年同期比3・4%増となった。営業利益は16億6000万円、同27・4%増、経常利益は18億9000万円、同24・9%増の増収増益となった。純利益は14億9900万円、同64・5%増。ベルト事業での海外売上高の拡大、円安による為替差益が収益を押し上げた。為替感応度は1円につき営業利益で3000万円。当四半期の為替差益額は1億700万円。
ベルト事業の売上高は196億4600万円、同6・6%増、セグメント利益は15億3100万円、同5・5%増の増収増益。自動車用部品部門の売上高は約96億円、前年同期比40%増、一般産業品部門が約100億円、同14%減。
自動車用部品部門での自動車用伝動ベルト製品では補機駆動用伝動ベルトが国内の自動車生産台数が前年同期の実績には及ばなかったものの、アジア特にタイ、中国における需要拡大に牽引されて、前年同期に比べ販売が増加した。補機駆動用伝動システム製品も、一方向クラッチ内蔵プーリ(バンドー・スムース・カップラー)などの販売が、前年同期に比べ増加した。
一般産業用部門の産業機械用伝動ベルトは、国内での販売は微増となったが、アジア地域では市場の拡大に伴い、前年同期に比べ販売が増加した。搬送ベルト、コンベヤベルトは、石炭火力発電所の稼働に伴う石炭輸送用の急傾斜搬送ベルトの受注や、オーストラリア、カナダなど海外の長距離搬送用の大型物件の受注により、前年同期に比べ販売が増加した。軽搬送ベルトは、上海に設置した加工拠点などの効果もあり、前年同期に比べ販売が増加した。
国内売上高は124億1600万円(前年同期比4・2%減)、海外売上高103億4500万円(同14 %増)となり、海外売上高比率は前年同期の40%から45・5%までに拡大した。
エラストマー製品事業の売上高は28億7500万円、同13・5%減、セグメント利益は減損処理により6400万円、同115・4%増となった。電子写真出力機器部品での高機能ローラーは、新規案件の獲得により、前年同期に比べ販売が増加したが、プリンタや複写機の需要低迷によりクリーニングブレード、樹脂成型品の販売は、前年同期に比べ大幅に減少。
機能フイルム製品での工業用フイルムについては、前年同期に比べ販売が減少したものの、建築資材用フイルムや同社が注力している装飾表示製品の販売は、前年同期に比べ増加した。
金属ナノ粒子の製造・販売などの新規事業のほか、ロボット関連デバイス事業などのその他事業の売上高は3億5300万円、同2・6%増、セグメント利益は4600万円、同628・9%増となった。
同社は今年度を初年度とする新しい中長期経営計画「Breakthroughs for the future(未来のための躍進)」に沿って、事業部間のシナジーを発揮しやすくすることを狙いとした事業本部制への移行、新事業開発のための専門部署設置、国内販売会社の統合、アジア地域における市場開拓や製品開発の促進に取り組んでおり、通期業績予想については5月13日に公表した前回予想から変更はなく、売上高920億円、前期比7・3%増、営業利益は56億円、同36・8%増、経常利益は60億円、同25・5%増、当期純利益は40億円、同59・4%増を見込んでいる。