昭和電工は1日、大分コンビナートにおいて同社が開発した製法を用いた酢酸エチル生産設備を新設することを決定したと発表した。新設備の生産能力は10万トン/年で、2014年6月より営業運転を開始する予定。
酢酸エチルはインキ、塗料、電子材料、医農薬など幅広い用途で使用されており、今後も国内外で需要の増加が見込まれる。一方で、原料情勢や近隣国における供給能力の増大等、事業を取り巻く環境は大きく変化している。同社が開発した新製法は、原料のエチレンを酢酸に直接付加する画期的なものであり、高品質の酢酸エチルを効率的に生産することが可能となる。同技術は既にインドネシアの同社生産拠点で実用化している。
同社は酢酸エチルを石油化学事業におけるコア事業と位置付けている。今回の設備新設により、多様化・高度化する顧客のニーズに適確に応え、高品質の製品を安定的に供給する体制を一層強化する計画。
今回導入するエチレン付加法は、同社が独自開発した、固体ヘテロポリ酸触媒を使用する製法であり、「第6回 グリーン・サステイナブル・ケミストリー(GSC)ネットワーク 経済産業大臣賞」及び「第56回 日本化学会 化学技術賞」を受賞している。また、今回の設備新設は、経済産業省より先端設備投資促進補助事業の採択を受けている。
2013年08月06日