JSRは5日、同社グループの2012年度のCSR(企業の社会的責任)に関する取り組みをまとめた「JSRグループ CSRレポート2013」を発行した。英語版は9月に発行する予定。また、ダイジェスト版を中国語、韓国語、タイ語で10月に発行予定。
今回は、特集のテーマを「グローバルな課題を解決するMaterials Innovation」と題し、独自のマテリアルによって社会が抱える課題の解決を目指す同社グループの取り組みの現状と未来を、社外有識者との対話も交えて報告。また、活動報告については、経営方針に準じて「ステークホルダーへの責任」としてまとめている。未来に向けた同社グループのさまざまな取り組みを同レポートにおいて報告している。
同レポートは、同社および国内外のグループ会社から成る同社グループ39社を範囲とし、冊子版とWEB版を発行している。WEB版(http://www.jsr.co.jp/csr/csrreport2013.shtml)では、冊子版の内容に加えて、同社マネジメント、レスポンシブル・ケア(環境・安全・健康)、ステークホルダーに対する責任について具体的な取り組みを詳しく報告。特にレスポンシブル・ケアについて、データの報告範囲を初めて海外グループ会社にも拡大して報告している。
報告書の信頼性を担保するため、日本レスポンシブル・ケア協議会による第三者検証を受審したほか、同社グループの取り組みに対する客観的な評価として外部専門家による第三者意見を例年どおり受領した。同社は社会的責任投資(SRI)指標である「Dow Jones Asia Pacific Index」をはじめ数々のSRI指標の組入れ銘柄として選定されており、CSRに関する同社グループの取り組みは国内外で評価されている。
同レポートには、2012年度の主な活動実績を掲載している。同社は事業活動に伴う環境負荷を低減するため、環境自主中期計画に基づき、ごみゼロ活動、化学物質排出量削減対策、省エネ活動等を推進し、その取り組みの一つとして、汚泥乾燥設備を四日市工場に設置した。排水処理場で発生する汚泥を燃料化することで廃棄物削減につなげている。
また、保安力の維持・向上を図るため、安全工学会の呼び掛けに応じ「保安力評価推進委員会」に参画し、「保安力評価システム」を完成させた。2013年度より同社各事業所へ順次導入し、保安力の向上を図っている。
「子どもの理科離れ」という課題に対し、地域の教育委員会と連携して小・中学校での出前授業に取り組む中で、筑波研究所が近隣の小学生に「液晶テレビのふしぎ」と題した出前授業を実施。地元のラジオ放送局にも取り上げられた。
海外グループ会社での取り組みとしては、JSR Micro, Inc.(米国)がCSR活動の推進を図る中で、グループ会社で初めて独自のCSRレポートを発行し、また、新しい取り組みとして近隣の児童養護施設の子どもたちに51個のリュックと文房具用品段ボール1箱分を寄贈する等、活動を拡げた。