三菱樹脂 ハイバリアPETが「白鶴まる」に採用

2013年08月07日

ゴムタイムス社

 三菱樹脂は5日、通常のペットボトルと比べて酸素等のバリア(遮断)性を向上させた同社のハイバリアPETボトルが、業界最大手の清酒メーカーである白鶴酒造の「白鶴 サケペット まる 1・5L」(30日全国発売)の容器として新たに採用されたと発表した。

 DLC(ダイヤモンドライクカーボン)の技術を用いた同社のハイバリアPETボトルは、通常の約10倍の酸素バリア性による内容物の品質保持性に加え、ペットボトルならではの軽量性や割れにくさが、ブランドオーナーのみならず、流通や小売を含めて高い評価を受けていることから、2010年以降、ワインや清酒などのアルコール飲料の容器として、業界に先駆けて採用されており、その需要は大幅に伸長している。

 DLCとは、真空状態にしたPETボトルにアセチレンガスを充填しプラズマを発生させることで、薄い炭素膜を内面に蒸着させ、酸素などのバリア(遮断)性を大幅に向上させる技術。一般的なPETボトルと比べ、酸素で約10倍、炭酸ガスで約7倍、水蒸気で約5倍のバリア性を有する。なお、同技術は、キリンビール等が特許を保有している。

 白鶴酒造については、2011年9月に採用されて以来、既に4商品に採用されてきたが、30日に全国発売される「白鶴 サケペット まる 1・5L」と「白鶴 サケペット すっきり辛口純米 1・5L」に、新たに採用されることが決定した。同商品は、同社のなかでもボリュームゾーンの商品であり、従来の紙パックやガラス瓶に、ペットボトル容器が加わることで拡販が期待される。なお、従来から採用されていた4商品「上撰 白鶴 サケペット 1・5L」「白鶴 サケペット 辛口 1・5L」「白鶴 サケペット 米だけのお酒 1・5L」「白鶴 サケペット 蔵搾り生 1・5L」についても、ボトル形状が一目で清酒と想起させる形状にリニューアルされる(同日発売)。

 三菱樹脂は、同ボトルの旺盛な需要に対応するべく、現在、平塚工場(神奈川県平塚市)内に新たな製造ラインの設置工事を進めている(本年11月営業運転開始予定)。同社は、今後も需要に応じた生産能力の増強を検討するとともに、清酒やワインなどの酒類に加え、食用油や調味料、ドレッシング、サプリメント、医薬品の容器向けに高機能なPETボトルを提案していくことで、ペットボトルの新たな市場の創造に向けて取り組んでいくとしている。

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