住友ゴム工業の13年12月期第2四半期連結決算は、売上高3458億8600万円、前年同期比3・6%増、営業利益297億2800万円、同7・9%減、経常利益277億1600万円、同8・6%減で増収減益となった。純利益は154億7800万円、同5・7%減。
営業利益段階における減益要因は、価格修正で92億円、数量・構成比で49億円、エネルギー単価の上昇などによる直接原価で7億円、スポーツ事業で11億円、設備投資による減価償却費の増加などによる固定費増で20億円、海外での販路拡大による経費増で45億円となり、これに対して天然ゴム96億円、石油系原材料60億円などの原材料費で167億円、円安で30億円、産業品他で2億円が増益要因となったものの、差し引き25億円の減額となった。
主力のタイヤ事業の売上高は為替円安、海外新車用タイヤの販売増で2978億円、前年同期比3・4%増の増収となったものの、営業利益は海外市販市場の競争激化による販売価格下落、販売数量の減少、ブラジル、トルコで建設中の新工場などへの投資も収益を圧迫し、263億円、同5・9%減の減益となった。
競争激化の背景について同社では「欧州は金融不安が残っているため市況そのものが回復していないので、欧州メーカー全体が供給過多となっており、在欧州メーカー中心に競争が厳しくなっている。北米は去年9月に中国メーカーに課されていたセーフガードが撤廃され、中国メーカーのタイヤが北米に流れ込んで競争激化。中国では、国内外メーカーが乱立しているため、中国市場全体が厳しい状況になっている。東南アジアは比較的堅調」などと述べた。
国内市販用タイヤは、最上の静粛性を追求した低燃費タイヤ「ビューロ VE303」や、低燃費タイヤブランド「エナセーブ」の高い環境性能をトラック・バス用タイヤにも拡大した「エナセーブ SP688」を発売するなど、低燃費タイヤを中心に拡販と販売構成の改善に努めたことなどにより、売上高は前年同期を上回った。
また国内新車用タイヤは、低燃費タイヤなどの高付加価値タイヤの拡販を進めたが、国内自動車生産台数が前年同期を下回ったことにより販売数量が減少したため、売上高は前年同期を下回った。
海外市販用タイヤは、政情不安により市場が停滞している中近東、天候不順で夏タイヤの需要が停滞したロシア等で販売数量は減少したが、為替が円安傾向で推移したため、売上高は前年同期を上回った。
海外新車用タイヤは、生産拠点を有する中国、タイ、インドネシアにおいて自動車生産台数が前年同期を大きく上回るなか順調に販売を伸ばし、売上高は前年同期を上回った。
スポーツ事業全体では売上高は327億円、同3・2%増、営業利益は23億円、同31・8%減となった。
スポーツ事業は主力のゴルフボールでは革新的な非円形ディンプルを採用した新商品「ゼクシオ XD AERO(エックスディー・エアロ)」が好調に推移したが、ゴルフクラブでは主力商品「ゼクシオセブン(=7代目ゼクシオ)」が発売2年目のため販売が減少し、国内販売全体としては低調に推移。海外市場においては、米国で「クリーブランドゴルフ」のウエッジクラブの新商品などが好調に推移し、韓国では「ゼクシオ」シリーズのゴルフクラブが販売を伸ばした。
産業品他事業全体の売上高は154億円、同9・6%増、営業利益は10億円、同22・8%増。 戸建て住宅向け制震装置「ミライエ」を拡販したことや、プリンター・コピー機用精密ゴム部品や医療用ゴム栓などの高機能ゴム製品も順調に販売を伸ばした。
通期業績予想については、第2四半期連結累計期間の業績がほぼ当初計画に沿って推移しているため、前回発表からの変更はなく、売上高7800億円、同9・8%増、営業利益800億円、同14・7%増、経常利益730億円、同8・4%増、純利益420億円、同18・5%を見込んでいる。