ランクセスの13年12月期第2四半期連結決算は、売上高21億ユーロ、前年同期比12%減、特別項目調整前EBITDA1億9800万ユーロ、同45%減、純利益900万ユーロ、同95%減で大幅な減益となった。
原料価格の低下に伴う製品売価の値下げが主な要因。特に、ブタジエンの主要購入者であるパフォーマンスポリマーズ部門が影響を受けた。さらに、自動車およびタイヤ産業における需要低迷の継続が売上高に響いた。
一方、農薬分野の需要は、特に欧州において引き続き好調で、アドバンスト中間体部門の堅調な売上に貢献した。
アクセル・ハイトマンCEOは「2013年度上半期の業績は、設定した高い目標値に到達できなかった。厳しいビジネス環境は継続し、欧州における消費マインドの低下は今や、中国やブラジルなどランクセスにとって重要な他の市場においても現れてきた」と述べている。
〈パフォーマンスポリマーズ部門〉
原料価格の低下が製品売価の値下げに繋がり、自動車およびタイヤ産業の需要低迷が原因となり販売量が減少。製造施設の稼働率低下によるアイドルコストも利益に影響を与えた。
この結果、同部門の売上高は12億ユーロ、同17%減、特別項目調整前EBITDAは9400万ユーロ、同63%減となった。
〈アドバンスト中間体部門〉
自動車および塗料業界の需要は引き続き低迷。農薬分野に注力し、レバクーゼン拠点において中間体であるクレゾールの製造能力を20%増強した。9月には、サルティゴビジネスユニットは、約100名の従業員とともに事業本部をレバクーゼンに移転し、製造拠点との一層の近接を図る。農薬関連ポートフォリオの主要製造拠点としてレバクーゼン拠点を強化する。
同部門の売上高は3億9300万ユーロ、同2%減、特別項目調整前EBITDAは7400万ユーロ、同6%減となった。
〈パフォーマンスケミカルズ部門〉
無機顔料および水処理製品の需要は引き続き堅調だったが、自動車およびタイヤ産業に関連するビジネスユニットの業績は低迷。第2四半期においてゴム薬品ビジネスユニットは、ベルギーと南アフリカで事業再構築を行い、一時的な費用が計上された。
皮革用化学品ビジネスユニットも、南アフリカのクロム鉱石採掘場でのストライキのため製造減による影響を受けた。
これにより同部門の売上高は5億6100万ユーロ、同4%減、特別項目調整前EBITDAは6700万ユーロ、同14%減となった。
同社では第2四半期の業績を受け、通期の特別項目調整前EBITDAの見通しを、5月発表時の10億ユーロ未満から、7億~8億ユーロ(在庫評価減を除く)に下方修正した。
また、今事業年度の継続する需要低迷を背景に、2014年度の目標値(特別項目調整前EBITDA14億ユーロ)の達成は、来年度に期待される需要回復を考慮しても、困難な状況となった。
一方で、この厳しい状況にも関わらず、中期利益目標値(2018年度の特別項目調整前EBITDA18億ユーロ)については、その達成により多大な努力が必要とはいえ、維持する方針を示している。
2013年08月08日