クラレは8日、倉敷事業所(岡山県倉敷市)内に建設した人工骨インプラント「リジェノス」新生産設備が完成し、稼働を開始したと発表した。生産能力は、10万個/年。
「リジェノス」の特長は、生体組織が侵入しやすい気孔構造ハイドロキシアパタイト(生体骨の主成分)からなり、血流や骨細胞が製品内部に侵入しやすい、独自の気孔構造を持つことや、人工骨全体に対する気孔率を体積比で75%かつ、孔径が30μm以上の気孔が占める体積が人工骨全体の55%以上となる構造など。一方向に連通孔(配向連通孔)が開いており、周辺骨との一体化およびインプラント内部での骨再生の補助に適した構造を有している。
人工骨インプラントとは、病気やけがで骨移植が必要となった場合の治療に使われる製品。現在、国内では自家骨移植が主流となっているが、同社は患者の負担を軽減し、自家骨移植代替をめざして、骨欠損の補填と骨再生の補助に使用可能な人工骨インプラントを展開している。
今後同社は、同事業の拡大を通じて患者のQOL向上に貢献していくとしている。
2013年08月09日