旭化成ケミカルズは8月29日、高機能ポリウレタン樹脂原料であるポリカーボネートジオール(PCD)「デュラノール」について、中国における生産設備の新設を決定した。
新設備の生産能力は3000トン/年で、2015年に運転を開始する予定。
同社が開発した高機能タイプのPCDは、自動車用合皮、塗料、UVウレタン樹脂製品などのアジア市場でトップシェアを有している。 同社では今後も高機能タイプのPCDは、ウレタン製品の高機能化に伴い、特に自動車や情報家電の生産基地である中国を中心とするアジア市場で、高い市場成長が続くと予想している。
同社では現在、岡山県倉敷市の水島製造所内にPCDの生産拠点を有しているが、今後のアジア市場での需要拡大に対応するため、中国における生産設備の新設を決定した。今回の増強により、アジアでの安定した供給体制を構築し高機能ポリウレタン樹脂原料メーカーとしての地位を確固たるものとし、同社の主力製品であるHDI系ポリイソシアネート「デュラネート」とともに一層の事業拡大を図っていきたいとしている。
〈生産設備新設概要〉
(1)立地:旭化成精細化工(南通)有限公司 敷地内
(2)能力:3千トン/年(新設後の総生産能力:江蘇省南通市3千トン/年、岡山県倉敷市3千トン/年、計6千トン/年)
(3)工期:2014年春着工、2015年初商業運転開始予定
旭化成精細化工(南通)有限公司の概要
会社名:旭化成精細化工(南通)有限公司(Asahi Kasei Performance Chemicals Corp.)
所在地:中華人民共和国江蘇省南通市 経済技術開発区内
董事長:鈴木 淳
資本金:35.5億円
事業概要:HDI系ポリイソシアネート「デュラネート」の製造・販売
出資比率:旭化成ケミカルズ株式会社62%・旭化成(中国)投資有限公司38%※
設備新設に伴う増資は、旭化成の中国現地法人である旭化成(中国)投資有限公司より行う予定。