帝人 防弾ファブリックを開発

2013年09月06日

ゴムタイムス社

 帝人グループでパラ系アラミド繊維「トワロン」の生産・販売を展開しているテイジン・アラミドB.V.は4日、装甲車両の乗員の安全を守る防弾ファブリック「トワロン T765」を開発し、市場展開していくことにしたと発表した。
 10月10日から13日にかけて英国ロンドンで開催される国際防衛安全の見本市「DSEI」において初めて披露する。
 同製品は軽量で、高強度、耐衝撃性、高弾性、耐熱性などの高い性能を備えたパラ系アラミド繊維「トワロン」を縦方向に積み重ねて編んだファブリック。これを樹脂などと組み合わせてコンポジットにし、スポールライナー(飛散防止内張り)として、鉄、セラミック、アルミニウム、チタンなどの金属製の装甲車両の内側に装着することにより、車両が被弾した際、装甲内面の金属が衝撃波で飛散するのを抑制することができる。
 一般的に、車両が被弾した際の衝撃そのものよりも、車内への金属片の飛散によって乗員が負傷するケースの方が多いと言われており、スポールライナーの役割が重要視されている。
 同製品は、その特殊な編み方により、従来の織物に比べて少量の繊維、および少ないレイヤーで優れた厚みと丈夫さを実現しており、これをスポールライナーの素材として使用することにより、より高い防弾性能とコスト効率を期待することができる。戦車、トラック、人員運搬車などの軍用車両や、一般の民間車両に装着することにより、車両が被弾した際の乗員の安全確保に大きく貢献することができるソリューションだ。
 同社グループは、長年培ってきたアラミド繊維やその織物、および防護衣料の技術やノウハウを活かし、警察、消防、製造現場などの安全を支える「ライフプロテクション」分野で幅広いソリューションを提供している。同社は今後も、技術革新や市場開発を推進し、人々の暮らしや社会の安全を守るソリューションの提供に取り組んでいくとしている。

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