東洋紡 欧州でブレスエアー生産開始

2013年09月12日

ゴムタイムス社

 東洋紡は9日、グループ会社である東洋紡ヨーロッパが欧州に新設した「ブレスエアー」生産工場で、6日に開所式を終え、本格的に生産を開始したと発表した。
 同製品の生産工場名は、「東洋紡ヨーロッパ オーベルンブルグ工場」。生産能力は1100トン/年。総投資額は約7億円。
 同製品は、同社の熱可塑性ポリエステル系エラストマー「ペルプレン」を繊維状にして複雑に組み合わせた三次元スプリング構造体。軽量・高反発で耐久性や通気性などに優れ、ウレタンフォームに替わるクッション材として寝具マットや座席シートなどに広く採用されている。
 今後は、環境意識の高い欧州市場にて家具用途での販売をはじめ、医療用マットレス、ボート、自動車や鉄道向けシートなどの用途展開を行い、同事業の拡大を図る予定。
「ブレスエアー」は1996年に量産を開始し、ウレタンフォームに替わるクッション材として、高い耐久性が要求される新幹線N700系をはじめとする各鉄道車両シートや自動二輪のシートに採用されている。また、同製品を使用した敷布団やマットは、寝心地が良く、ムレにくく寝返りがうちやすい上、丸洗いできるという特長があり、病院や介護の分野でも広く採用されている。
 耐久性に優れていることも特徴で、その秘密は、ゴムとエンジニアリングプラスチックの両方の特性を持ち、耐久性と加工性に優れた「ペルプレン」にある。特許取得済みの特殊な製造方法により、ポリエチレン原料を使った場合に比べて、優れた耐久性を実現している。
 圧縮試験の結果、「ペルプレン」で作られた「ブレスエアー」は厚さがほとんど低下しないが、ポリエチレンの網状構造体は厚みが保持されず40%ほど厚さが低下する。試験条件はJIS K 6400―4圧縮残留ひずみ試験(試験片をその厚さの50%に圧縮し、70℃のオーブンで22時間加熱圧縮した後、元の厚さに対する低下率を求める試験。
 〈東洋紡ヨーロッパ(TOYOBO Europe GmbH)の概要〉
▽事業内容=欧州地域における同社グループ事業の統括、フィルム・機能樹脂、産業マテリアル、ライフサイエンス、衣料繊維などの製造、加工、販売▽株主構成=東洋紡 100%

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