ランクセス グループ本社を移転

2013年09月13日

ゴムタイムス社

 ランクセスは3日、グループ本社のレバクーゼンからケルンへの移転が完了したと発表した。今後はケルン・ドイツ地区の「ランクセスタワー」で従業員約1000人を擁し、グローバルの事業活動を統括するとしている。新しい本社社屋の完成により、重要なすべての経営機能が初めて1つの屋根の下に集中することになる。
 同社のCEOであるアクセル・C・ハイトマン氏は、落成式で「グループ本社の移転により、同社は経営の効率化を一層推進することができる。特に、現状を踏まえて、『ランクセスタワー』を中心に従業員一丸となることが非常に重要だ。同社の成長軌道を持続する上で、新本社がその一端を担うことになる」と述べた。
 ノルトライン・ヴェストファーレン州のガレルト・ドゥイン経済・エネルギー・産業大臣は、同社グループの本社移転に積極的な見解を示し、「同社がケルン市を選択したことは、同州がいかに工業立地として優れているか、設立後10年も経たない同社がいかに成功を収めているかを裏付けている。同社は、今や欧州の化学産業におけるリーディングプレーヤーだ」と話している。
 ケルンのユルゲン・ロータース市長もまた、同社の本社移転はケルン市に大きな進展を与えるものであるとし、「この移転は、同社によってケルン市が工業立地として認められたことを示している。この街がグローバルプレーヤーを誘致できる力を備えている証であり、大変誇りに感じる。『ランクセスタワー』は、市の景観を高める重要なランドマークとなる」と述べている。
 22階建ての「ランクセスタワー」には、近代的なデザインの事務フロアだけでなく、ミーティングルーム13室が設けられた会議専用フロアと約400名が収容できるコミュニケーションセンターも設置されている。社員食堂とカフェテリアもあり、従業員は幅広いメニューから選択することができる。同社は、通勤に関してもさまざまな選択肢を提供する。地下には駐車場があり、さらに近接したランクセスアリーナにも追加のスペースが設けられている。また従業員は、多くの自転車が収納できる駐輪場スタンドも利用することができる。レバクーゼンとケルン間はシャトルバスが運行。公共の交通機関の定期券も提供しており、「ランクセスタワー」で働く従業員の70%がすでに利用している。
 一方で、同社の完全出資子会社であるサルティゴは、ランゲンフェルドからレバクーゼンに本社を移転する。9日、サルティゴの従業員100名以上が、ランクセスが本館(K10)(レバクーゼン拠点にあるケムパーク)として使用していた建物に移転する。同社の経営委員会メンバーであるヴェルナ・ブロイヤス氏によると、「精密化学のスペシャリストであるサルティゴの移転によって、レバクーゼン拠点をメガトレンドの農業に注力した同社の最重要拠点として強化および拡張を図る」という。主要拠点の1つであるランゲンフェルドも、この移転によって影響を受ける。グローバルの調達およびロジスティック部門がランゲンフェルドにあるサルティゴのKatzbergビルに移転する。

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