電気化学工業は17日、酢酸ビニルモノマー(以下「酢酸ビニル」)の製造・販売事業から撤退することを決定したと発表した。平成26年4月末日をもって同社千葉工場での製造を終了し、同年6月にて販売を終了する予定。
国内における酢酸ビニルの需要は、住宅着工件数の長期低迷や、接着剤分野における需要家の製造拠点の海外移転などにより内需縮小が進行し、供給過多の状態が定常化している。また、海外では設備増強が相次いでおり、厳しい市場環境が継続している。
こうした状況下、同社はあらゆる手段を用いてコストダウンに取り組んできたが、事業環境の悪化は自助努力を上回るもので、事業継続可能な収益を安定的に確保することは困難と判断した。
同社は昨年5月に千葉工場のスチレンモノマープラントを二基から一基体制へ移行しており、今回の同事業撤退は、これに続く基礎石化製品から高付加価値製品へ経営資源をシフトする施策となる。
なお、ポバール・EVA・サクノールなどアセチル系製品については、引き続きニーズに応えるべく取り組んでいく。
同社の酢酸ビニル事業は、プラントが千葉工場(千葉県市原市)にあり、生産能力は6万トン/年。
2013年09月18日