全国の工業用ゴム製品卸商組で構成する全国ゴム商組連合会の会議が12日、東京都港区浜松町の浜松町東京會舘で第31回全国ゴム商組連合会が開かれた。今年度は東部ゴム商組が幹事組合として会議を進め、西山博務理事長が代表幹事となり、議長を務めた。アンケートによる各地区会員企業数の異動結果などを報告、各地区の活動状況や市況交換を議題に意見交換を行った。また、メーカー団体の代表を来賓に招き、商工懇談会も行った。
連合会の会議は、幹事組合を代表して東部の藤田耕平副理事長が司会を務めて開会した。当日は北海道を除く全国6地区の代表16人が参加。冒頭、西山代表幹事は「2020年のオリンピック開催地が東京に決まり、気持ちの上ではある種の高揚感がでてきた。それが我々の実際の商売にどうつながっていくかはわからないが、徐々に明るい兆しある。この会も1980年の全国ゴム商組協議会から数えると通算57回目となり、現在の連合会になってから31回目の開催となる。東部、中部、西部の持ち回りで毎年開催している。最近の景況をみると、多少は良くなって業界が動き出しているようにみえるが、我々のデータにはそれがまだ現れていない状況。今日は関連の工業会が参加する商工懇談会も開かれるので、ぜひともお互いに情報を共有していきたい」とあいさつした。
続いて中部ゴム商組から24年度連合会収支報告があり、続けて各地区商組に行ったアンケートの集計結果が報告された。報告によると、この1年間で全国の組合員数は3社減って574社。入会4社に対し、倒産2社、廃業1社、経費節減1社、その他3社で合計7社が退会した。賛助会員数は5社入会、2社退会の3社増で166社となった。
このあと、各地区商組の代表がそれぞれの組合の運営状況や市況などについて説明、これらを踏まえて意見交換した。(関連記事=7面)
連合会会議のあとは日本ゴム工業会、日本ベルト工業会、日本ゴムホース工業会、日本ホース金具工業会の役員が来賓として招かれ、商工懇談会を開催した。
日本ゴム工業会からは松谷衛専務理事、日本ベルト工業会からは野澤信太理事長、同中村典雄常務理事、日本ゴムホース工業会からは阿南正彦常務理事、日本ホース金具工業会からは小島研二常務理事が出席、それぞれ本年上期の生産状況や現在の各製品を取り巻く環境、さらには下期の需要見通しなどについて言及した。
商工懇談に先立ち、西山代表幹事が、「本会前に全国連合会では7地区代表から現況報告があった。また東京オリンピックの開催も決まり明るい見通しが出てきた感じがする。この商工懇談会は今回で57回目を迎え、メーカー各位には日頃からご協力を頂いているが、今後とも叱咤激励、問題点をご指摘いただければありがたい。全国の組合会員数の減少が問題になっている。組合活動を活発化するためには組合員を増やすことが必要課題といえる。その点についてもアドバイスいただければありがたい。本会開催にあたり事前に各工業会に対し質問状を差し上げた。それに基づいて、意見交換できればと思う」とあいさつ。 続いてメーカー団体から、ゴム製品の生産・出荷状況などについて説明が行われた。松谷専務理事は工業用品類の動向について触れ「13年は国内自動車生産の減少、円高、中国問題等を背景に、防振ゴムがマイナス5・4%、パッキン類がマイナス5・6%と減少するが、スポンジ製品は国内生産が増加すると予測する。またゴムロールは製鉄用が大手企業の統合の影響、製紙用で輸入紙の増加、印刷用ではデジタル化への移行の影響からマイナス2・1%の予測となっている。ライニングは前年に震災からの回復を示した反動もありマイナス7・0%、防舷材は震災からの回復傾向にあるものの、公共事業など需要予測が厳しく、生産の海外シフトの影響もあり、2桁減のマイナス13・0%、一方ゴム板はプラス1・0%と予測し、13年年間の新ゴム消費予想量は、工業用品類全体では17万1630㌧、前年比3・4%減と予想する」とした。
野澤信太理事長はベルトの生産動向について「搬送ベルトは、内需、輸出合計で上期は9945㌧、前年同期比7%増、伝動は5435㌧、同10%減となり、ゴムベルト全体では1万5398㌧で横ばいとなった。樹脂ベルトは内需、輸出ともに前年実績を上回り、合計では52万5000平方㍍で同5%増となった。国内搬送ベルトの需要先別では、鉄鋼、石灰セメント、電力ガスは二桁の伸びを見せたが、機械、紙パルプ向けは低調に推移した」と語った。
また、地域別の出荷額状況については「ゴム搬送は関東、近畿四国、中国が二桁増で順調に出荷額を伸ばしている。内訳は北海道が前年同期比で11%減、東北が32%減、関東は12%増、中部が30%減、近畿四国は15%増、中国は17%増、九州は14%減。樹脂搬送は東北と九州を除いてほぼ前年並みおよびそれ以上となっている」
上期の実績を踏まえて、日本ベルト工業会では13年年間の生産量予測を発表、それによると搬送ベルトは全体で1万9431㌧、前年比3%増、伝動ベルトは1万1359㌧、同5%減とし、ゴムベルト全体では3万790㌧で横ばい、樹脂ベルトは全体で103万8000平方㍍、同4%増とした。
ゴムホースの生産動向につては、阿南常務理事が説明した。同氏は「上期のゴムホース生産量は自動車用が1万1868㌧、前年同期比10・3%減、高圧用は1825㌧、同11・8%減、その他用は3525㌧、同9・9%減となり、合計では1万7218㌧、同10・4%減となった。内需回復を追い風に、業績が拡大してる非製造業と円安効果で輸出を好調な自動車を中心とした製造業と両輪で収益を牽引しているので、7月以降の経済動向についてもさらなる活性化が期待される」と分析した。
日本ゴムホース工業会では13年年間のゴムホース生産については、生産量3万5060㌧、前年比4・1%減、出荷金額は1323億円、同5・9%減と見込んでいる。
引き続き、小島常務がホースアセンブリ需給状況を説明した。「会員17社の上期の需給実績は産業用ゴムホースが合計で194億6588万円、前年同期比11%減、自動車用ゴムホースは54億6774万円、同19%減、樹脂ホースアセンブリは31億2380万円で同11%減となり、付属金具販売を含めた全体では300億8813万円、同13%減となった」などと述べた。