材料と技術の複合展「N PLUS」開催

2013年09月30日

ゴムタイムス社

 新たな価値をプラスする材料と技術の複合展「N PLUS(エヌプラス)」が9月25~27日、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。主催はプラスチック工業技術研究会。
 同展は、製品開発における「課題解決」をキーコンセプトに、プラスチック、ソフトマテリアル、軽金属、炭素繊維、複合材料などの素材の新しい活用方法や、耐熱・放熱、接着・接合、軽量化・高強度化、コーティングなどのソリューションをテーマに、7つの展示会が集まる複合展。さらに同時開催として「電気自動車開発技術展(EVEX)」など4つの展示会も開催され、合わせて242社・団体が出展した。
 ゴム関連企業の展示は以下の通り。
◆右川ゴム製造所
 右川ゴム製造所は顧客の要望に応じたゴム素材を、小ロット・短納期で納入できる対応力をアピール。また、技術力を示す例として、新たに開発した「シームレス」「スーパーセットフォーム」などを展示した。
 シームレスは、スポンジをソリッド被膜で覆った素材で、通常は2工程で行うのに対し、一度の押し出しで成形する技術を確立。スーパーセットフォームは圧縮しても常温ならほぼ100%元に戻ることから、機密性が求められる扉のパッキンなどに使われている。
 そのほか、最終製品として開発した、スマートフォンの裏側につけて操作性を向上させるとともに、ノベルティとしても最適な「メディアグリップ」も紹介していた。
◆クラレ
 クラレは独自繊維素材(ポリエステル)を世界初のスチームジェット製法で不織布化した、「フレクスター」の伸縮タイプとボードタイプを出展。
 伸縮タイプは簡単に切れる上、高度な伸縮性と粘着性がないにも関わらず布同士がくっつく自着性により、現在は包帯として病院・動物病院で使われているほか、市販もされている。
 ボードタイプは軽量であることと、クッション性や吸音・断熱性などを生かして薄畳や障子などで使われている。
 同製品にはこれ以外にも、さまざまな可能性があると考えられることから、今回の展示会では、むしろ来場者に用途を考案してもらうことを期待していた。
◆藤倉ゴム工業
 工業用品ゴム製品の製造で長い歴史を持つとともに、ゴルフ用カーボンシャフトの世界トップメーカーでもある藤倉ゴム工業は、これらの技術を活用・融合した「ドライブシャフト」「トルク伝達軸」「めっきカーボンロッド」などの開発中の製品を出展。
 従来は鋼製だったものをカーボン、あるいはカーボンとゴム、カーボンと金属の複合品にすることで、自動車や産業機械などの軽量化に貢献する取り組みをアピールしていた。
◆ホッティーポリマー
 ホッティーポリマーは様々な種類の極細エンプラチューブ、耐摩耗樹脂押出品「スベアップ」、植毛加工を大幅に簡素化した「HPフロック」などを紹介。
 エンプラチューブは医療・土木・農業・光ファイバー・分析機器など多様な分野で使用。スベアップは、表面が滑りにくい一般的なエラストマー押出成形品と異なり、特殊活性樹脂を被覆しているため滑りやすく、サッシの開閉部など建材を中心に使われている。
 自動車用ウエザーストリップなどで使用するHPフロックは、静電植毛加工を特殊加工で行うことにより工程を大幅に短縮しコスト低減と環境性の向上を可能にした。
◆丸一ゴム製作所
 受注生産がメインの丸一ゴム製作所は、独自製品の「MPシリーズ」をアピール。これは金属粉を混ぜ込んだゴムを使用した調理用のヘラ・手袋・ブラシなどで、万一使用中に摩耗して破損しても、金属探知機やX線異物検査機などで容易に発見できるのが特徴である。
 またタイヤダストを処理し原料として再利用する、開発中の技術も紹介していた。
◆丸五ゴム工業
 丸五ゴム工業は、岡山県産業振興財団が進める、次世代自動車を見据えた技術・製品を開発する研究開発プロジェクトに参加している16社のうちの1社として共同出展。
 今回のプロジェクトでは、各社が開発した技術・製品を搭載した電気自動車を試作したが、同社はそこで使われている冷却用「ヒーターホース」や防振ゴムなどを展示。ゴムから樹脂まで、トータルで製品を提供できる技術力をアピールすることで、新たな顧客の開拓を図っていた。

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー