タイヤの燃費規制強化で低燃費タイヤ向けの合成ゴムとして今後の成長が期待される溶液重合型SBR(S―SBR)の各社の海外新プラントが相次ぎ立ち上がった。
S―SBRは、主にタイヤや工業用品用途に使用される高機能合成ゴム。特に近年、エコタイヤと呼ばれる低燃費タイヤ向けへの需要が世界的に急拡大している。世界的な環境意識の高まりやタイヤの低燃費性能の格付け制度の普及を背景に、低燃費タイヤ向けへの需要は今後さらなる拡大が見込まれるとし、国内合成ゴム4社が海外での新プラント建設を進めていた。
国内でS―SBRを生産するのは、旭化成ケミカルズ、JSR、日本ゼオン、住友化学の4社。
この分野で先行している旭化成ケミカルズは、シンガポールにて建設を進めてきたS―SBR新工場(第1系列)の商業生産を本年4月より開始した。年産5万トンの新プラントは早くも本格稼働を続け、同工場の第2系列(年産5万トン)にも着工しており、2015年前半の稼働開始を目指している。