【合成ゴム特集】宇部興産 マレーシア新工場の建設に着手

2013年10月01日

ゴムタイムス社

14年第4四半期に5万㌧が稼働 特殊品が堅調でフル生産

 宇部興産はアジア地区でのポリブタジエンゴム(BR)の需要拡大に対応、ロッテケミカルグループ、三菱商事と、マレーシア・ジョホール州にBR製造・販売の合弁会社をこの3月に設立し、宇部興産の製造技術ライセンスにより年5万トンのBR製造設備建設に着手した。ロッテケミカルグループのタイタンケミカルから原料ブタジエンの供給を受け、2014年第4四半期に稼動開始を予定しており、需要動向を見ながら、更に年産2万2000トンの能力増強も計画している。
 BRは、タイヤ、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)及び靴底向けが主な用途で、最大市場のアジアを中心に今後6~7%の需要の伸びが見込まれており、特にタイヤについては、大手タイヤメーカーを中心に多くの需要家がアジア地区で能力拡大を進めている。
 同社は現在、BRを世界3拠点で生産しており、グループの生産能力は千葉(年産11万トン)、タイ(年産7万2000トン)、中国(年産7万2000トン)の合計25万4000トン。千葉工場では国内タイヤメーカーの生産拡大、低燃費タイヤ向けのBRでの拡販、MBR(メタロセン触媒BR)の本格稼働で生産余力がなくなることから、設備増強の第二段階として更に1万6000トン/年の能力増強を実施しており、2014年2月には千葉工場の生産能力は年産12万6000トンまでに拡大されることになる。マレーシアの新プラント稼働後は合計32万トン体制となり、アジアでは最大級、独立系BRメーカーでは世界トップクラスとなる。

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