東ソーは9月30日、同日開催の取締役会において、100%出資連結子会社である日本ポリウレタン工業との合併に向け検討・準備を開始することを決議したと発表した。
ポリウレタン原料及びその誘導品の製造販売を行っている日本ポリウレタン工業は、ビニル・イソシアネート・チェーン事業をコアビジネスとする中核子会社であり、同社はイソシアネートの原料であるアニリン、CO、塩素等を日本ポリウレタン工業に供給するとともに、日本ポリウレタン工業で副生される塩酸を同社の塩ビモノマー原料として回収・利用し、事業競争力の強化を図っている。
また資本面においては、2006年4月に日本ポリウレタン工業を子会社化し、2008年5月には出資比率を80・28%に引き上げ、更に2012年7月には、出資比率100%の完全子会社化を実施するとともに、両社での一体的かつ効率的な事業運営体制の構築を進めてきた。
イソシアネート事業を取り巻く経済環境については今後競争激化が予想され、更なる事業環境の変化に対応できる強固な経営基盤を確立するためには、同社と日本ポリウレタン工業が合併することにより、迅速な経営判断が可能となる体制を構築するとともに、アニリン等のイソシアネート原料からイソシアネート製品、誘導品までのウレタン事業の一貫体制の確立、本社並びに南陽事業所の一元化による運営、今後の研究体制の再編等による経営の効率化等を図ることが必要であると判断した。
合併契約書承認取締役会、合併契約書締結が平成26年5月上旬、合併契約書承認株主総会が同6月下旬、合併の効力発生日が同10月1日を予定している。
同社を存続会社とする吸収合併方式で、日本ポリウレタン工業は解散する予定。また、日本ポリウレタン工業は100%出資子会社であるため、合併による新株の発行はない。
本合併による今期業績への影響はないとみている。
「合併当事会社の概要(平成25年3月31日現在)」
〈東ソー株式会社〉(存続会社)
▽事業内容=各種無機・有機化学製品の製造、加工、販売及びそれに附随関連する業務等
▽設立年月日=昭和10年2月11日
▽本店所在地=山口県周南市開成町4560番地
▽代表者=代表取締役社長 宇田川憲一氏
▽資本金=406億3300万円
▽発行済株式数=6億116万1912株
▽純資産=2192億8500万円(連結)
▽総資産=7351億200万円(連結)
▽決算期=3月31日
▽大株主及び持株比率=日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 4・80%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 4・08%、株式会社みずほコーポレート銀行 3・61%
〈日本ポリウレタン工業株式会社〉(消滅会社)
▽事業内容=ポリウレタン原料の製造、加工、販売及びそれに附随関連する業務等
▽設立年月日=昭和35年3月4日
▽本店所在地=東京都港区芝4丁目1番23号
▽代表者=代表取締役社長 濵田治氏
▽資本金=115億円
▽発行済株式数=360万株
▽純資産=▲581億600万円
▽総資産=591億9300万円
▽決算期=3月31日
▽大株主及び持株比率=東ソー株式会社 100・00%