ブリヂストン 3商品でグッドデザイン賞

2013年10月02日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは1日、「らく楽パイプ」「除染作業機向け特殊ゴムクローラ」「BLIZZAK VRX」の3商品で2013年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。

 らく楽パイプ(ストレートコイルドポリブテンパイプ)は住宅用給水給湯用の配管システムに使用する樹脂管。従来品対比で管の巻き癖を大幅に弱め、さらに、さや管挿入時の抵抗を最大で同対比77%低減させたことで、水道工事の施工時間の短縮や施工者の作業負荷の軽減に貢献する。また、環境への負担も考慮し、リサイクル可能なポリブテン樹脂を採用している。

 震災復興における除染作業機向け特殊ゴムクローラは、被災地における農地等の汚染された表層土を効率的に剥離・回収することが可能な除染作業機向けに専用開発されたゴムクローラ。国内の粘土質土壌でも高いトラクション性能を発揮できるように接地面のブロック形状を最適にデザインし、また、内部構造にスチールコードを採用することで高負荷作業にも対応できる耐久性を確保している。なお当該車両は、日本国内で8台が除染作業にあたっており、すべての車両に本製品が装着されている。

 乗用車用スタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX」は、「アクティブ発泡ゴム」「新非対称パタン」「新非対称サイド形状」の3つの新技術を採用し、氷路面における”ブレーキの効き”だけではなく、乾いた路面や濡れた路面などさまざまな冬道で性能を発揮する。特に安全性能として重要な氷上ブレーキ性能、ウェットブレーキ性能の向上に加えて、転がり抵抗の低減による低燃費性能の向上も実現している。

 以下は受賞した3商品について、グッドデザイン賞審査委員の評価コメント

〈らく楽パイプ〉
 樹脂配管システムの製造・販売での実績とポリブテン樹脂の特性を活かした製品開発。より配管施工がしやすいパイプの提供を目的として、手間取らせていた原因に”巻き癖”をつきとめ、直進性の向上と巻き癖の減少で最適バランスをつきとめ製品化している。最適化をつきとめるにあたって、作業の時間を短縮だけでなく、梱包に適した巻き癖を維持する重要性も運搬等の事情により発生するため、巻き癖の異なるパイプを全国の施工現場に持ち込み施工しヒヤリングを行って検討している。プロフェッショナルな開発精神も評価できる。ポリブテン樹脂のリサイクルに積極的に取り組み、パイプへの再利用だけでなく、関連商品の開発もされている。

〈震災復興における除染作業機向け特殊ゴムクローラ〉
 震災復興における除染作業機向け特殊クローラ。表土剥離、土壌回収機のゴムキャタピラである。一般的なラグパタン(進行方向に横形状)を、駆動力を高めるために、大きなブロック状のパタンを大胆に設計したものである。おそらく除染という薄く土壌を剥離することを目的に、その運動性能を計算した上でのブロックパタンの配列であろう。「除染作業」という特殊な仕事がこうした新しいパタンを生み出したことは、特別な作業の象徴性という観点からも十分に評価していいと思う。ことの重大さをこのクローラから感じてしまう。

〈BLIZZAK VRX〉
 舗装路とは比較にならないほど複雑な状況が待ち受ける氷雪路に対処すべく、路面に接する部分のトレッドパタンだけでなく、両脇のショルダー形状まで左右非対称にするという斬新な設計を導入した点がまず注目できる。さらに同社の独自技術である発泡ゴムに親水性を持たせることで、氷上やウェット路面での停止距離を従来品に比べ10%短縮している。見える部分と見えない部分の双方で革新に挑み、明確な結果につなげた技術力を評価したい。

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