海外新工場建設も視野に 国内両工場も好調出荷続く
旭化成ケミカルズがシンガポールで2013年4月から本格稼働を開始した省燃費型高性能タイヤ向け溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S―SBR)工場が、早くもフル生産となっている。同社では、これから成長が期待される世界タイヤメーカートップ30くらいまでのユーザーに対し、川崎工場生産品を広く紹介してきたが、これが同様の製法プロセスを採用するシンガポール工場のスムーズな立ち上げにも役立っているようだ。
省燃費型高性能タイヤ(エコタイヤ)は、新興国でのモータリゼーションの進展によるタイヤ生産の拡大や、世界的なタイヤに対する環境規制の強化などを背景に、アジアを中心に急速な市場拡大が見込まれている。
同社のS―SBRは、独自の技術開発により、タイヤの省燃費性とウェットグリップを高次元でバランスさせながら、耐摩耗性や操縦安定性も同時に改良することを可能にしており、エコタイヤに最適な材料として国内外の顧客より高い評価を得ている。このため、同社では同工場の第2系列(年産5万トン)にも着工しており、2015年前半の稼働開始を予定している。同社はS―SBR事業をグローバルリーディング事業として積極的に拡大していく方針であり、シンガポールに続く、更なる海外工場の新設も検討中としている。