国内も自動車部品向け堅調 中国での販売施策を再検討
東ソーのポリマー事業部が手がける特殊合成ゴムのCR「スカイプレン®」の足元の需給動向は、「これまで欧州及び中国での需要減退により、出荷が減少していたが、中国での在庫調整も済んでいるようで、上期後半から需要が徐々に上向きつつある」とし、現状、同社南陽事業所のCRプラント(年産3万4000トン)はフル生産となっている。国内需要も自動車生産がポイントとなるが、自動車販売で好調なのは小型車で、更なる軽量化により部品サイズが小さくなるため量の漸減傾向はあるものの悲観的な状況ではないとみる。一方、輸出は足元、アジア地区ではインド、インドネシアでは弱含みであるが、最大需要先である中国市場での需要回復の兆しが見えてきており、下期以降は巡航速度になるであろうと予測。
同社のCRはCVJブーツやVベルト、ワイパー類に代表される自動車部品を始め、各種工業部品、接着剤などさまざまな用途に使用され、約7~8割近くをアジア中心にワールドワイドに輸出されている。これまで中国市場での景気鈍化や欧州の金融危機も影響し輸出が減速していたが、ここへきて主力の履物向けの接着剤をはじめ自動車部品需要も一旦底を打った感があり、少しずつではあるが回復傾向をみせているというが、安心できる状況とはいかない。また、中国市場では依然アンチダンピング税が課せられているため、中国での販売に関しては強みのある分野などを中心に慎重な姿勢で販売安定化を進めていくとしている。
一方、アンチダンピング税が撤廃されたアメリカ市場については、新たなビジネスチャンスととらえ、マーケティング活動を強化してきているが、「米国市場は保守的なところもあり、浸透には時間を要するが、強みのある分野、お客様に認められる製品供給で着実に伸ばしていきたい」としている。