川口化学工業の11月期第3四半期連結決算は、売上高45億2100万円、前年同期比9・9%減、営業損失1600万円、経常損失2100万円、四半期純損失は900万円となった。
同社グループの関係する自動車業界では、当第3四半期においても国内自動車生産販売台数の前年対比での減少が継続した結果、自動車タイヤ・ゴム工業用品生産量において前年同期比で減少した。販売面では、為替が円安に転じたことから海外での受注確保に注力し輸出においては売上を伸ばしたが、国内自動車生産をはじめとする景気の回復は緩やかであり、全体では前年同期を下回る水準で推移した。原材料面では、ベンゼンやナフサ価格が上昇したこととあわせ、円安の進行により同社の購入する原材料価格が上昇した。
このような状況の中、同社グループは原材料調達先の開拓や原材料のコストダウン、在庫の適正化を行った。また、市場競争力を高め、市場・生産環境の変化に対応できるよう、設備投資の最適化や生産体制の見直しをはじめとする生産合理化検討を進めた。販売においては、為替環境の変化に対応し受注を確保するとともに、原材料価格変動に対応した価格改定を推進した。また、主力のゴム薬品・機能性化学品に注力した販売活動を行い、新製品戦略の展開を行ったが、今期の収益は減収減益となった。
ゴム薬品は、国内の自動車生産は昨秋以降のアジア全体での減産影響により、第2四半期以降回復傾向は見られるものの、前年同期と比較し生産台数の減少が継続し、エコカー減税終了後の国内自動車販売も低調で推移した。この影響により、同社の主要顧客であるタイヤ・ゴム工業用品・合成ゴム生産が減少したことから、国内ゴム薬品の売上は前年同期比で減少した。輸出においては、東南アジアをはじめ中国において回復傾向が見られることや為替が円安に転じたことから、主力商品の輸出に注力した結果、売上は前年に比べ増加した。この結果、この部門合計の売上高は29億7200万円、前年同期比6・6%減となった。
樹脂薬品は、主要需要先である国内外のアクリル酸・アクリル酸エステル・ABS樹脂・MMA等の市況は低調であり、昨秋以降の国内アクリル酸生産の大幅減少の影響並びに内外の競合先との国内競争が激化したことから売上が減少した。この結果、この部門合計の売上高は5億1300万円、同19・7%減となった。
中間体は、界面活性剤中間体は顧客の生産が堅調に推移したことから売上を伸ばしたが、染顔料中間体は品目によって増減があり、昨年並みの売上となった。農薬中間体は、一部品目の受注増減があったが、主要品目で受注の回復もあり全体として売上を伸ばした。医薬中間体機能性化学品においては一部品目の販売増加があったものの、主品目で顧客の需要が伸びず受注が大幅に減少したことから売上が減少した。この結果、この部門合計の売上高は4億1900万円、同22・6%減となった。
その他、環境用薬剤は市場動向に合わせた生産対応を行ったが、需要がやや減少し売上は低調に推移した。潤滑油向け薬品は国内外市場の生産減の影響を受け、売上が減少した。新規用途向け薬品は、品目により売上に増減があり、新規受注も獲得したが全体として売上が減少した。この結果、この部門合計の売上高は6億1500万円、同5・7%減となった。
通期の業績予想は、売上高61億5000万円、前年同期比9・9%減、営業利益2500万円、同82・6%減、経常利益2000万円、同85・0%減、当期純利益1500万円、同81・8%減としている。
2013年10月08日