ブリヂストンは17日、2014年から2018年の「中期経営計画2013(2013MTP)」を策定し、記者説明会を開催した。「真のグローバル企業」をめざし、経営改革の質とスピードの向上を図る。
説明会には、津谷正明代表取締役CEO兼取締役会長、西海和久代表取締役COO、江藤彰洋常務執行役員CFO・財務担当が出席。津谷CEOによる概要説明の後、質疑応答が行われた(質疑応答は次週に掲載)。
津谷CEOは、最初に中期経営計画について「経営改革の重要なツールであり、基本姿勢であるLean&Strategicとグループ・グローバル最適を浸透させる上で重要な役割を果たしている」と位置付けた。
その上で、2013MTPの重点項目として、「グローバル企業文化の育成」「グローバル経営人材の育成」「グローバル経営体制の整備」の3点を挙げた。
このうち、グローバル企業文化の育成では、ブランド戦略の明確化とイノベーションの促進を図る。
具体的には、ブランド戦略を、整合性のある統合されたマーケティングの一部として確立。政治・経済・環境・技術革新などマクロ環境の大転換期にある中で、技術・ビジネス面でのイノベーションをスピードアップする。
グローバル人材の育成では、ステップ1として、同社の強みである多様性とグローバルネットワークを生かし、女性・ローカル人材・若手の育成、登用をさらに促進。ステップ2では英語公用化、SBU大括化に基づき、ローカル人材のグローバル経営参画を進める。
グローバル経営体制の整備については、タイヤ事業でSBU体制を再編するほか、多角化事業の拡充、ガバナンス体制の整備、グループ経営をつなぐ役割を強化。
タイヤ事業の再編では、現在の6SBU体制を4SBU体制にまとめる。欧州地域では現在、欧州の事業を再編するとともに、欧州に統合する中近東アフリカ事業の再編を実施。次のステップでは、中近東アフリカSBUとトルコ、ロシアを統合した拡大欧州SBUを発足させる。
アジア地域では、中国SBUとアジア大洋州SBUの統合準備を進めており、2013MTP期間中に統合管理体制を実現する。
多角化事業については、「選択と集中」・構造改革を進め、事業間の連携強化、グローバル化の促進、集中事業のさらなる飛躍をめざす。
ガバナンス体制の整備では、ステップ1として、親会社のみならず各事業会社においても、取締役会が本来求められているチェック&バランス機能を強化。また各地域で委員会をつくり、ローカルスタッフを交えて経営改革などの議論を促進する。
ステップ2では、統一されたグローバル方針・戦略と、地域・セグメントの特性のバランスを考えた経営体制を確立。その中で、権限・責任の明確化と権限移譲を進める。
グループ経営をつなぐ役割の強化では、新たな部門やグローバル会議体を発足し、グループ内の連携・機能を強化する。
2013MTP期間内の量的目標としては、業界平均を上回る成長と、ROA6%、OP(営業利益率)10%の継続確保をめざす。
2013年10月18日