電気化学工業は21日、特殊混和材事業の海外展開について発表した。
中国では、上海に地域事業統括会社「DENKA Infrastructure Technologies Shanghai」(仮称 中文名は申請中)を2014年1月を目処に設立し、現地での事業拡大を狙う。また、生産拠点である「電化無機材料(天津)有限公司」を2013年9月に設立し、2014年2月には特殊混和材工場の操業開始を予定。研究開発体制については2013年6月に「電化新材料研発(蘇州)有限公司」内に設置済み。
東南アジアでは、シンガポールに地域事業統括会社「DENKA Infrastructure Technologies Private Limited」(仮称)を2014年1月を目処に設立し、現地での事業拡大を狙う。生産は現在一部を外部委託にて行なっているが、今後更なる拡充を行なうとしている。
また、特殊混和材事業海外売上目標は2017年度150億円(国内外合計300億円)としている。
同社は「セメント・コンクリートのあらゆる欠点をカバー出来るもの」を目標に膨張材、急結材、急硬材、注入材、無収縮材、高硬度材など数多くの混和材を製造・販売してきた。また、未来に向けたコンクリートのメンテナンス事業や有機材料の取り込みなど新規事業を展開し業容を拡大している。今後、国内では老朽化構造物の補修やリニア新幹線の整備、更には東京オリンピック開催に向けたインフラ整備向けなどの需要増が見込まれている。
海外向けには、これまで業容の拡大にあわせて駐在員を配し、日本からの輸出に加え、一部外部への生産委託により対応してきたが、今後のインフラ整備需要は大きく拡大することが見込まれる上、海外の社会資本に対する品質への要求も高まってきているところから、海外において研究開発・生産・販売体制の整備をより一層加速させ、それぞれの国や地域の市場ニーズや情況に合ったきめ細やかな対応を図るとともに、社会資本整備の一端を担うべく取り組んでいくとしている。