カネカは24日、放送用やデータアーカイブに使用される磁気テープのバインダー樹脂(以下、MR樹脂)の製造設備を取得し、11月1日より販売開始すると発表した。
MR樹脂は、日本ゼオンが開発した磁気バインダーに特化した塩ビ系共重合樹脂。塩ビの幹部分にスルホン酸基、ヒロドシル基、エポキシ基を導入した特殊なポリマー構造を持ち、磁気テープの高性能化を実現している。2010年4月より日本ゼオンの委託を受けてMR樹脂を受託生産してきたが、日本ゼオンの販売終了を受けて、鹿島工場に製造設備を取得した上で、同社が製造販売を開始することにした。
磁気テープ市場は、ビッグデータなど昨今のデータストレージ需要の高まりの中で、省エネルギーかつ安定性の高さに定評があり、今後も更なる技術革新により安定した成長が見込まれている。同社は、汎用品からペースト・塩素化塩ビ樹脂などの特殊品まで手がける総合塩化ビニール樹脂メーカーとして、引き続き高品質・高性能の製品をグローバルマーケットに提供していくとしている。
2013年10月25日