東海ゴム工業の2014年3月期第2四半期連結決算は、売上高は1745億100万円、前年同期比31.4%増、営業利益は46億6600万円で同7・3%減、四半期純利益は14億1700万円で同49・6%減の増収減益となった。
同社グループは、海外での開発・生産・販売網を拡充し、グローバルでの製品供給体制の整備を進めた一方、今年3月に国内外での原材料調達や生産体制の見直し、物流体制の再構築などによるコスト削減活動「Global Cost Innovation」(GCI)を開始するなど、収益力の高い経営体質の構築に注力した。グローバル事業運営については、今年2月に買収により子会社化したイタリアの自動車用ホースメーカー、Dytech―Dynamic Fluid Technologies S.p.A.の業績を第1四半期連結会計期間より、今年4月に持分法適用関連会社から子会社化したタイの自動車用ホースメーカー、Inoac Tokai (Thailand) Co., Ltd.と、今年5月に買収により子会社化したドイツの自動車用防振ゴムメーカー、Anvis Group GmbHの業績を同第2四半期連結会計期間より、それぞれ連結決算に反映している。
自動車用品部門は、国内市場では、政府が昨年実施した環境対応車普及策「エコカー補助金」終了の反動があったものの、個人消費の緩やかな回復を受けて、自動車販売は全体として堅調。海外市場でも景気回復が続く米国や、新興国での自動車販売が底堅く推移したが、今年度より連結の範囲に含めた欧州の子会社が景気低迷の影響を受けたため、減益となった。この結果、セグメント間消去前の売上高は1464億2900万円で同39・1%増、営業利益は28億5100万円同23・1%減となった。
一般産業用品部門の産業用ゴム製品分野では、昨年低迷した中国での建設機械・工作機械向け高圧ホースの販売が回復傾向にあるものの、低調に推移した。プリンターなど事務機器向け精密部品分野は、主に欧州での景気低迷を受けて販売が伸び悩んだものの、昨年に実施した拠点集約による事業運営の効率化により増益。この結果、セグメント間消去前の売上高は335億600万円同2・8%増、営業利益は18億1500万円、同37・2%増となった。
通期の連結業績予想については、欧州経済の低迷を受け買収した子会社の回復遅れがあったものの、日本や米国での景気回復などが寄与し、売上高および営業利益を前回公表値より上方修正。しかし、買収した子会社の支払利息が見込みより増加したことなどから、経常利益および当期純利益については前回公表値より減少する見込みとしている。この結果、売上高は3650億円で前期比38・4%増、営業利益は130億円で同41・2%増、経常利益は105億円で同13・8%増、純利益は40億円で同33・2%増を見込んでいる。
2013年10月29日