東海ゴム工業は29日、建設・土木機械向けなどの産業用ホースの製造会社を京都府綾部市に新設し、2014年秋に稼働することを決定したと発表した。同社グループの国内での生産拠点設立は、2007年の㈱TRI九州(大分県豊後高田市)以来、7年ぶり。
同社グループの産業用ホース事業は、国内2拠点で生産してきたが、設備の老朽化が進み、工場面積にも制約があることから、全国数十カ所の工場を候補対象に、土地・建物の取得について調査を進めてきた。その結果、京都府綾部市にある工場の土地・建物を買い取り、生産拠点とすることとした。
国内では、今後本格化する東日本大震災の復興需要や道路など社会インフラの老朽化対応、2020年開催予定の東京五輪に向けた建設・土木工事の増加など、産業用ホースの需要増加が見込まれる。同社はこうした動きに対応するため、国内生産拠点を京都府綾部市の新会社に集約し、生産能力の拡大を図る。ホースの生産単長を従来の3倍にする新製法を導入するほか、工程の大幅短縮を実現することにより、低コストで高品質な製品の供給体制を強化し、市場シェア(占有率)拡大と事業展開の多角化を推進していく。
新しい生産拠点は、同社が設立する100%出資の新会社が運営主体となり、既存の建屋を購入して新規に設備を投入することにより、工期短縮と投資抑制を推進し、効率的な事業運営を進めていく。初期投資は29億円を予定している。
産業用ホースの供給体制については新会社のほか、インドでも2014年の稼働を目指して建築中であり、既存の中国・合肥の拠点と合わせて、グローバル拠点網を拡大していく方針。
〈新会社の概要〉
▽名称=㈱TRIホース製造(仮称)
▽所在地=京都府綾部市とよさか町1番地(綾部工業団地内)
▽事業内容=各種産業用ホース(液圧用・布巻ホース等)および関連製品の製造・販売
▽資本金=10億円
▽設立=2014年1 月(予定)
▽代表者=社長 田中孝之氏
▽出資比率=東海ゴム工業株式会社100%
▽従業員数=約160名(2018年度計画)
▽工場面積=敷地約13万㎡、建屋約7万1000㎡
▽投資額=29億円(初期投資)
▽売上高=51億円(2018年度計画)
▽操業開始=2014年秋(予定)