ダウ・ケミカル 相馬工場20周年記念式を開催

2013年11月01日

ゴムタイムス社

 ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーは29日、福島県相馬市のイオン交換樹脂工場が操業20周年を迎えることを祝し、主要顧客および地域関係者を招いた記念式を開催した。
 式の開催は同社の水処理事業部門であるダウ・ウォーター・アンド・プロセス・ソリューション(DW&PS)によるもの。同社は相馬工場で、半導体、発電所、電子材料向けの特殊イオン交換樹脂を生産している。
 DW&PSのグローバル・ビジネス・ディレクター、スニール・デザイ氏は「顧客と地域の人々に支えられ、相馬工場が20周年を迎えられたのは、同工場とわれわれにとって記念すべきこと」と述べている。
 1993年11月、同工場は当時ローム・アンド・ハースの工場として操業開始して以来、逆浸透膜の洗浄設備、揮発性有機化合物(VOC)の削減、包装能力の強化など、顧客のニーズに合わせた施設の拡大や操業効率の向上に努めてきた。同社が2009年にローム・アンド・ハースを買収し、同工場は同社のDW&PS事業に統合された。
 2013年3月に東日本大震災が相馬市を襲った際、同工場は津波による甚大な被害を受けた。被災から3日後、同工場の危機管理チームが復興に向けて立ち上がり、同年9月には完全復旧した。被災による一時操業停止にもかかわらず、2011年、逆浸透膜洗浄事業は過去最高の出荷量を記録した。
 また、工場の復旧とともに同社は、避難生活を送ることを余儀なくされた高齢者の孤独死を防ぐため、「ダウ相馬井戸端長屋」集合住宅を建設し相馬市に寄贈した。
「被災から半年後に事故ゼロで工場を再稼働させた。以来約2年間、工場は高い操業率を保ちながら安全操業を続けている。同工場はDW&PS事業部にとって付加価値の高いソリューションを顧客に提供するための重要な拠点になっている」と、ダウ日本代表取締役社長のピーター・ジェニングス氏は述べている。
 同社のイオン交換樹脂は、水中の不純物を除去するために用いられ、発電所、半導体工場、液晶工場など、純水を必要とする生産施設で広く利用されている。

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