8月のタイヤ生産回復でベルト、ゴム板、防舷材高い伸び
ゴム製品の新ゴム生産量が16ヵ月ぶりに前年同月実績を上回った。
日本ゴム工業会が経済産業省生産動態統計に基づきまとめた8月のゴム製品生産実績によると、自動車タイヤが前年同月比2・4%増と16ヵ月ぶりに前年水準を上回ったことで、ゴム製品全体では前年同月比1・3%増の10万3619トンと16ヵ月ぶりに前年同月実績を上回った。この結果、1~8月累計のゴム生産量は前年同期比95・5%、92万1205トン、出荷金額は同95・3%、1兆4736億円となった。
ゴム生産量は昨年9月以降からの2桁のマイナスから、今年に入っては一桁台のマイナス幅に縮小してきており、徐々に回復基調にあった。
〈自動車タイヤ〉
自動車用タイヤの8月生産実績は全品目でプラスとなり、自動車タイヤ全体では前年同月比2・4%増と16ヵ月ぶりに前年水準を上回った。製品別では二輪用が同18・7%増と大幅増が続いているほか、小型トラック用が同5・6%増と6ヵ月連続、T・B用が同3・5%増と2ヵ月連続、乗用車用は同0・2%増、乗用車用が同4・3%増と3ヵ月ぶりにプラスとなった。
1~8月累計では前年同期比95・5%、74万7825トンとなっている。
〈ゴムベルト〉
ゴムベルトの8月生産実績はコンベヤベルトが前年同月比2・3%減と11ヵ月ぶりにマイナスとなったほか、歯付ベルトが同14・9%減,Vべルト・その他が同22%減とマイナス幅が拡大し、全体でも同7・3%減と8ヵ月ぶりに前年同月実績を下回った。
1~8月計ではコンベヤは同13・7%増と引き続き2ケタ増を維持したが、歯付ベルトは同10・2%減、Vベルト・その他は同11・3%減となり、ゴムベルト全体では同106・5%、1万9425トンとなった。
〈ゴムホース〉
ゴムホースの8月生産実績は高圧用が前年同月比9・5%増と2ヵ月連続でプラスとなったが、その他用が同11・4%減、自動車用が同5・6%減とマイナスに転じ、全体でも再び前年実績を下回った。1~8月累計では各品目が前年同期比91~92%程度で依然前年実績を下回っており、全体では前年同期比91・6%となった。
〈工業用ゴム製品〉
8月はスポンジ製品が前年同月比3・1%増と7ヵ月ぶりに、また防舷材が同45・2%増、ゴム板が同13・2%増と引き続き大幅増となったが、主力の防振ゴムが7%減と引き続き前年実績を下回ったほか、パッキン類が同18・2%減と5ヵ月連続で2ケタ減となり、全体では同3・2%減と再び前年実績を下回った。1~8月計では、防舷材が前年同期比146・5%、ゴム板も同110・3%となったが、主力の防振ゴム、パッキン類の減少により、前年同期比94・1%、11万3744トンとなった。
〈履物類〉
生産ベースで、ゴム底布靴は8月が前年同月比5%増と再びプラスに転じたが、総ゴム靴・その他ゴム製履物は同3・2%減と4ヵ月連続で前年実績を下回った。1~8月計ではゴム底布靴は81万足(前年同期比102・8%)と前年同期実績を上回り、総ゴム靴・その他ゴム製履物は58万足(同90%)と2ケタ減となっている。
〈医療、運動競技用品〉
8月は医療用品が前年同月比9・6%増と5ヵ月連続で前年同月実績を上回り、運動用品も同12・6%増となり、2ヵ月連続で前年同月実績を上回った。1~8月計では医療用品の生産量が同101・6%の3330トンとなった。