日本バルカー工業はこのほど、広範囲の流体に適用できる高機能ノンアスシート「ユニバーサルハイパーUF300」と、高温蒸気環境に優れた「パーフロロエラストマー(FFKM) D5575」を開発した。
シートガスケットの従来品では、PTFEに添加される充填材が、ガスケットの強度保持に重要な役割を果たすものの、充填材の耐薬品性により用途ごとの使い分けが必要だった。また使い分け不要を謳った製品もあるが、過酷な条件での適応は難しかった。
UF300は、強酸や強アルカリなど腐食性の高い流体に対する耐性と、高温下で面圧低下が少なく、長期シール性に優れた良好な高温特性により、液体プロセスラインのガスケット使い分けを解消した。
これにより、ガスケットの選定・装着間違いによる事故リスクの軽減、施工作業員の負担軽減、設計管理・在庫管理コストの低減が期待できる。
一方、FFKMは耐熱性・耐油性・耐薬品性に優れたエラストマーだが、一般的に耐熱性と耐蒸気性はトレードオフの関係にある。
これに対し、D5575は蒸気環境下で300℃の耐熱性を実現。シールの長寿命化と信頼性の向上を図り、機器のメンテナンスコストとシールトラブルの低減を可能にした。
市場としては、タイヤ加硫器などの高温蒸気チャンバーシール、火力発電所などの高圧蒸気タービンシール、ポリマー重合釜などでの使用が見込まれている。
UF300は7月に発売、売上目標は3億円/年。D5575は2014年1月頃の発売を予定しており、16年度で3億円/年の売上を目指している。