電気化学工業は8日、ベトナムに新会社を設立し、「ビニテープ」の製造工場を建設することを決定したと発表した。
「ビニテープ」は生活・環境プロダクツ部門の主力製品である塩化ビニル製粘着テープで、主に自動車電装電線(ワイヤーハーネス)結束用、電気絶縁用などに使用されている。同社千葉工場の生産設備は、堅調な国内向け出荷に加え、東南アジア、中東などの市場拡大により海外向け出荷が順調に伸びているところからフル稼働の状況にある。同地の経済成長に伴って需要は拡大傾向にあり、今後の同市場は年率5~6%以上の伸張が見込まれる。この海外市場の拡大に対応するため、同社はベトナムに新会社を設立し、新工場を建設して段階的に能力を増強することにした。
新会社名はDENKA ADVANCED MATERIALS VIETNAM CO.,LTD.を予定しており、ハノイ市近郊のベトナムフンイエン省第二タンロン工業団地に建設予定。「ビニテープ」の生産能力は年産約6000トンを見込んでおり、稼動時期は2015年前半の予定。投資額は約23億円。
ベトナムは、市場拡大が見込まれる東南アジアに位置し、同社は物流やコスト面での優位性を活かして、より競争力のある製品を供給していくとしている。
また、新会社は同社の東南アジア統括会社である、デンカ・ケミカルズ・ホールディング・アジアパシフィック(DCHA)の傘下として設立し、新工場をシンガポールに次ぐDCHAの第2生産拠点として一体運営することで、同地域において、積極的に事業展開していく考えだ。
同社の経営計画「DENKA100」では、成長戦略のひとつとして「生産体制の最適化」を掲げており、既存製品の競争力の徹底強化のため、海外市場向け製品は極力現地生産化することを推進している。今回、ベトナムに新会社を設立し同製品の新工場を建設することで、更なる「生産体制の最適化」を図っていくことをねらう。
2013年11月11日