電気化学 14年3月期第2四半期連結決算は増収増益

2013年11月18日

ゴムタイムス社

 電気化学工業の吉高紳介社長は8日、東京・日本橋の本社で記者会見を開催し、2014年3月期第2四半期連結決算の説明を行った。
 同四半期の売上高は1813億8700万円で前年同期比10・5%増、営業利益は104億7800万円で同6・9%増、経常利益は106億5200万円で同26・1%増の、大幅な増収増益となった。四半期純利益は74億5300万円で、同41・6%増。
 売上高については、円安による輸出手取り増や海外売上高の増加など、経常利益についても、円安で為替差損益が前年同期のマイナスからプラスに転じたことが、収益の増加に大きく寄与した。
 吉高社長は上半期の決算について「内需型製品が堅調だったことや、円安効果で輸出製品の採算が良くなるなどの好材料があった一方、製品によっては需要停滞が長引き、円安で原燃料が上がったものの価格転嫁が遅れた製品もあって、事業ごとに異なるまだら模様を呈した」と総括した。
 セグメント別では、エラストマー・機能樹脂のうち、主力のクロロプレンゴムは輸出数量の増加と、円安による手取り増により増収となった。
 スチレン系樹脂は輸入原燃料の外貨建て価格の上昇と、円安による購入価格の上昇を合わせたダブルのコストアップを製品価格に転嫁した。
 この結果、同セグメントの売上高は796億6200万円で同14・4%増、営業利益は29億円で同18%増の増収増益となった。
 インフラ・無機材料も、特殊混和材やアグリプロダクツの販売が前年同期並み、セメントの出荷も震災復興や都市再開発需要などで好調だったため、売上高は237億700万円で同1・0%増、営業利益は22億円で同5%増の増収増益となった。
 電子・先端プロダクツでは、電子部材であるANPとアルシンクに回復の動きはあるものの、半導体やパソコンなど、電子材料関係の主力である溶融シリカや機能フィルムが事業構造の変化により伸び悩んだ。
 これにより、同セグメントの売上高は214億1800万円で、同5・0%と増収になったものの、営業利益は13億円で同7%減の減益となった。
 生活・環境プロダクツについては、農業・土木用途向けのコルゲート管、合繊かつら用原糸「トヨカロン」、塩ビテープが販売数量を伸ばし、関節機能改善剤である高分子ヒアルロン酸製剤の出荷が順調だった。
 一方で、太陽光発電関連資材の需要が低迷したことや、スチレン系製品の末端である電化ポリマーの食品用容器事業の価格転嫁が困難だったこと、デンカ生研の検査試薬の流通在庫を調整したことなどが減益要因となった。 この結果、同セグメントの売上高は364億2000万円で、同1・8%の増収となったものの、営業利益は37億円で同10%減だった。
 通期業績予想については、前回予想からの修正はなく、売上高3900億円で同14・2%増、営業利益250億円で同32・9%増、経常利益230億円で同29・0%増、当期純利益は150億円で同33・3%増を見込んでいる。

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