ランクセスは、水処理向けイオン交換樹脂製造75周年の記念式典を10月22日に開催したと発表した。
式典を開催したビターフェルト・ヴォルフェンは、液体から汚染物質を除去し水質を向上するイオン交換樹脂である高性能ポリマービーズの発祥の地。75年前に、ヴォルフェンで初めて小粒径樹脂ビーズの工業規模生産がスタートした。同社は現在、ビターフェルト拠点およびその他の拠点において、イオン交換樹脂とRO膜エレメント(逆浸透膜)を製造し、世界中のあらゆる地域で清浄な飲料水の確保に重要な貢献をしている。
同式典には、ザクセンアンハルト州のライナー・ハーゼロフ州首相、ビターフェルト・ヴォルフェン市のペトラ・ヴスト市長、同社の経営委員会メンバーである、レニェー・ファン・レッセル氏らが参列した。
同社は、ドイツのビターフェルトとレバクーゼン、インドのジャガディアにおいて高性能の水処理製品を製造している。メガトレンドの「水資源」における最重要拠点であるビターフェルトでは、同社は均一粒径イオン交換樹脂製造用の複合プラントを運営している。同プラントは、同業界では世界最大級の最先端施設。
同社は2年前に、ビターフェルト拠点において、水処理用途向けRO膜用の新製造プラント(投資額約3000万ユーロ)の稼働を開始した。現在は、レバクーゼン拠点において弱酸性カチオン交換樹脂の製造ラインと充填・包装用の最先端施設を新設している。同拠点の製造能力増強工事は、2014年中頃に完成予定。液体高純化テクノロジーズビジネスユニットの責任者であるジャン‐マルク・ヴェセル氏は、「イオン交換樹脂『レバチット』とRO膜エレメント『レバブレン』を組み合わせて使用することで、高効率の高純化システムを形成すれば、たとえば海水の脱塩に使用することで飲料水を得ることも可能だ」と述べた。
イオン交換樹脂のはたらきは、非常にシンプル。直径1ミリ以下の小さなポリマービーズが液体中の不純物と結合し、無害な物質に変換する。一般的な用途例としては、食器洗浄水の軟水化や家庭用水ろ過装置の炭酸硬度分除去など。発電所では、高純度な水や蒸気を生産するためにこのポリマービーズが使用される。それにより、析出物や腐食を防ぎ、効率性、運転の信頼性、使用年数を向上する。また、同樹脂は、地下水や工業廃水から有機汚染物質や重金属を選択的に除去する。
2004年にランクセスがバイエル社から分離し、その3年後、ビターフェルト拠点の均一粒径イオン交換樹脂の製造能力が増強された。2010年に膜分離技術向けの新プラントの着工式が行われ、2011年には水処理向け逆浸透膜エレメントの最先端の製造施設が稼働した。
同社の液体高純化テクノロジーズビジネスユニットは、世界中に500名の従業員を擁し、そのうち300名がドイツ(内、ビターフェルトは130名)で従事している。同ビジネスユニットは、パフォーマンスケミカルズ部門(2012年売上高=22億ユーロ)に属している。
2013年11月19日